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寒くなると増えてくる神経痛ですが、とりわけ有名な神経痛として

 

「坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)」

 

という疾患を聞いた事があるのではないかと思います。私の治療院でも、例年これからの時期は坐骨神経痛の患者さんが増えてきます。

 

私も坐骨神経痛を持っているのですが、私の場合、デスクワークなど座位での作業時間が長くなると、左のお尻から太ももの裏側にかけて痛みが生じるのです。

 

ほとんどの患者さんを診ていても、長距離ドライバーや事務員の方など、やはり座っている時間が長い方に坐骨神経痛が見られる傾向にありますね。

 

またこれからの寒い時期には、それほど無理をしていない場合でも、昔の坐骨神経痛が再発する場合も多いので、気を付けておくに越した事はありません。

 

今回は、そんな坐骨神経痛の話です。

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坐骨神経痛

坐骨神経は人体最大の神経で、主に下肢の知覚や運動に関わっています。

 

その坐骨神経に何らかの炎症が起きて、坐骨神経の走る経路に沿って「痛み」や「しびれ」などの不快な症状が生じる病態を

 

「坐骨神経痛」

 

と呼んでいます。神経痛というとなにか年配の方の疾患だという印象がありますが、決してそうとばかりも言えず、私は最年少で中学生の患者さんを診た事もあります。

 

坐骨神経痛は、いわゆる神経痛に分類される疾患の中では最も多い疾患であります。

 

その理由は、人体最大の神経であるが為にいろんな方面からの外力や刺激を受けやすい事にあると考えられています。

坐骨神経痛の症状

坐骨神経痛の症状は、お尻から太ももの裏側や下腿の裏側や側面にかけて「痛みやしびれ」が生じます。

 

ビリビリするような強い痛みから重くだるいような鈍痛まで、人によって感じ方はさまざまです。

 

私の場合は座っている体勢を止めれば痛みが引きますが、中にはどんな体勢でいても常に痛いといった重症の方も居られます。

神経痛は圧迫が原因ではない

さて、詳しい解説に入る前にあなたに知っておいて欲しい事があります。経験がある方はお分かりかと思いますが

 

「神経痛は神経の圧迫が原因です」

 

というフレーズをよく聞きませんか。よく医療者が口にしがちな言葉ですね。ところがこの認識、実はあまり正しくないのですよ。

 

最新の科学では、神経が圧迫を受けた際に「麻痺」が生じることはあっても、痛みやしびれが生じるという生理学的根拠はない事が分かってきました。

 

つまりもし本当に神経が圧迫を受けているのならば、少なくとも

 

「痛みやしびれより先に運動麻痺が生じる」

 

はずなのです。「足が上手く動かない・指が上手く動かない・温度が分からない・排泄がコントロール出来ない」などの麻痺症状ですね。

 

ところがたいていの患者さんを診ていると、痛みやしびれは訴えるけれども、運動麻痺の症状が見られる患者さんはほとんどいません。

 

これはつまり、その痛みやしびれは

 

「神経の圧迫が原因ではない」

 

という事を示しているのです。事実、ほとんどの患者さんはリハビリや治療のみで改善してゆきますからね。

 

そもそも神経の圧迫を手術なしに改善する事は非常に難しいので、手術なしで治ってゆく事自体が、「その痛みやしびれは神経の圧迫が原因ではなかった」ことを示しています。

 

それでは、いったい何が坐骨神経痛の原因となるのでしょうか。

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神経痛の原因は筋肉にあり

坐骨神経痛などの神経痛症状。その真の原因とは

 

「筋肉」

 

に答えがあります。筋肉が縮んで硬くなってしまう事により、筋肉の膜に存在する痛みのセンサーである

 

「ポリモーダル受容器」

 

という器官が反応して、その情報を基に「脳」が痛みやしびれを感じてしまうのです。

 

原因筋としては、お尻のほっぺた部分の「大殿筋」、その奥の「中殿筋」、さらにその奥の「小殿筋」という筋肉などに原因が多く見られます。

 

また、坐骨神経が貫く「梨状筋」という筋肉がお尻の深部にありますが、この筋肉も原因としてよく見られます。いずれにしても

 

「運動麻痺を伴う痛みやしびれなら急いで専門医の診察を仰ぐ必要があります」

 

が、運動麻痺を伴わない痛みやしびれならば、まずは「筋肉を緩める」という点に主眼を置いて治療を進めてゆけば良いのです。

 

「筋肉が関節痛の原因になるって本当ですか?はい本当です!!」

 

ただし、いくつか気を付けて頂きたい点があります。それは内臓関連の病気からくる坐骨神経痛です。それについては次項で詳しく書きます。

坐骨神経痛の際に気を付けたい内蔵疾患

お尻のあたりが痛くなる内臓疾患はけっこうありますが、最低限これだけは知っておきたい疾患を書きます。

泌尿器や婦人科のがん

「腎臓がん・前立腺がん・婦人科のがん・骨盤への転移」などでは坐骨神経痛のような痛みがよく見られます。

 

酷い坐骨神経痛がある方では真っ先に疑うべき疾患です。よく観察しないと見逃しやすいですから、どんな痛みなのかよく聴取する必要があります。

 

「がん」から来る坐骨神経痛は、安静にしていてもねちっこく痛み、通常の鎮痛剤が無効であるという点が特徴です。

 

「がんと癌の違いとは?悪性腫瘍にかかったらどうする!?」

膀胱炎

特に女性に多い膀胱炎ですが、膀胱炎でも腰やお尻のあたりが強く痛みます。

 

だいたいは発熱を併発している場合が多いですから、「発熱を伴う坐骨神経痛」ではこの疾患を疑うべきです。

化膿性股関節炎

股関節周辺に細菌感染が起こり、膿瘍(のうよう)を形成する疾患です。非常に「強い股関節周囲の痛み」に「高熱」を伴うケースが多いです。

 

私の治療家人生で1例だけ診たことがあります。小学生の女の子でしたが、かなりの強い痛みを訴えており見ていてとても可哀想でした。

 

即刻病院へ行ってもらいしばらくは入院治療となりましたが、その後無事に回復されたので「ほっと」胸を撫でおろしたものです。

 

本当にこの疾患の存在を知っておいて良かったと安堵したものでした。

 

レアなケースではありますが、発見が遅れがちな疾患ですから、こんな病気もあるんだなという事は知っておいてくださいね。

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坐骨神経痛に効くツボ

坐骨神経痛に効果が確認できるツボはたくさんありますが、その中でも最も分かりやすくて取り組みやすいツボがあります。

 

内至陰 別名:F3

 

至陰 別名:F4

 

竅陰 別名:F5

 

です。これらのツボは「井穴(せいけつ)」とも呼ばれ、知る人ぞ知る特効穴です。詳しくは以下の記事を参照ください。

 

井穴刺絡!万病に効くツボ治療決定版!?

 

これらのツボを刺激してあげると非常に回復が早くなりますので、ぜひ活用されてくださいね。

 

また、ツボ治療で治らない場合は「鎮痛薬」を服用して痛みを和らげる事も重要です。以下の記事もどうぞ参考までに。

 

「神経痛には鎮痛薬を使用すべきか?その判断基準は2つ!!」

 

以上。坐骨神経痛の話でした。

 

私も持病として持っていますので、酷くならないようにいつも対策をしていますよ。

 

ますます寒くなってゆきますが、お互い坐骨神経痛に気を付けながら上手に冬を乗り切ってゆきましょう。

まとめ

*坐骨神経は人体最大の神経。

*ビリビリする痛みから鈍痛のような痛みまで、痛み方は人それぞれ。

*痛みやしびれは神経の圧迫が原因ではない。

*運動麻痺を伴う痛みやしびれなら緊急性が高いのでただちに医師の診察を。

「腰の痛みは何科に行けば良い!5つの選択肢から選ぼう!!」

*運動麻痺を伴わない痛みやしびれなら緊急性は高くない。筋肉の治療やツボ治療を試そう。

*内臓関連からの坐骨神経痛にも気を付けよう。

*足の指にあるツボ(井穴)が最も取り組みやすい。

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