前回の記事では「坐骨神経痛」の話をしましたが、今回の記事は

 

「肋間神経痛」

 

の話になります。私の臨床経験では、坐骨神経痛に次いで多い疾患だと感じています。

 

私もちょいちょい発症するのでよく分かるのですが、肋間神経痛は坐骨神経痛とは少し痛みの質が違って、何と言うか「鋭い痛み」なんですよ。

 

もちろん坐骨神経痛でも鋭い痛みは出るのですが、割合としては肋間神経痛の方に鋭い痛みが多い傾向にありますね。

 

また、呼吸時の痛み(特に息を吸う時)なども出ますので、肋間神経痛の方が個人的にはとても辛いですね。

 

今回は、そんな「肋間神経痛」の話です。

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肋間神経痛

肋間神経は、「肋骨(あばら骨)」に沿うように分布している神経です。この肋間神経の走る経路に沿って痛みが起こるのが

 

「肋間神経痛」

 

です。肋骨を骨折した経験のある方は分かるかと思いますが、肋骨周辺というのは非常に敏感な部位です。つまり痛みに敏感な場所なのですね。

 

私が以前肋骨を骨折した際は、子どもたちが部屋を走り回る振動でさえ患部に響いて辛かったものです。

 

それぐらい敏感な場所ですから、神経痛が起こった場合も大変痛みを強く感じるのです。また厄介なことに、肋骨周囲の筋肉は「呼吸」にも関係しているために

 

「呼吸のたびに痛みが出る」

 

こともあり、とても辛いのです。胸部は皮膚や筋肉層が薄い為に、外部からの刺激などに対してあまり強くないという事も、痛みを強く感じる一因だと考えられます。

肋間神経痛の症状

肋間神経痛の症状は、胸部前面から側面や背部などにかけて

 

「鋭い痛み」

 

を感じます。痛みは持続的と言うよりも、陣痛のような間欠的な痛みの場合が多く、わずかな動作でも激痛が走ったり呼吸のたびに痛みが走ったりします。

 

数時間で痛みが改善する場合もありますが、多くは数日間痛みが続くのが一般的です。

 

私の場合は最短で1時間ほど、最長で1週間ほど痛みが続いたことがあります。その間は痛みの為に深呼吸が出来なかったので、とても苦しかった事を覚えていますね。

 

発症する原因は定かではありませんが、背伸びをした際やふと体を捻った際などに急に痛くなるケースが多いです。

 

運動不足であったり、筋肉を酷使していたり、ストレスによって呼吸の乱れがあったりすると、胸部の筋肉が緊張してしまうので、それが発症のきっかけになるのでしょう。

 

1点だけ気を付けておきたいのは、胸部は「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」の好発部位です。昔で言うところの「胴巻き(タズ)」ですね。

 

私の患者さんで以前経験があるのですが、肋間神経痛だろうと様子を見ていたら、1週間もしないうちに「帯状疱疹」が出てきたことがありました。

 

帯状疱疹は早期の治療が決め手ですから、患部に水泡などが出来ていないか、常に観察を怠らないようにしておいてください。

「帯状疱疹から水疱瘡がうつる事ってある?その関係性は表裏一体!」

肋間神経痛の際に気を付けたい内蔵疾患

胸部は重要な臓器が密集していますので、全ての痛みを安易に肋間神経痛で片づけないようにしたいです。

肺がん・肺炎

肺がんや肺炎では、胸部や肩の周囲にねちっこい鈍痛が生じることがよくありますが、鋭い痛みが頻繁に起こるような場合も油断はできません。

 

「がんと癌の違いとは?悪性腫瘍にかかったらどうする!?」

 

「高齢者の肺炎!細菌性肺炎に見られる症状は!?」

心筋梗塞・狭心症

特に左側の胸部や肩周りや背部等に痛みが生じている場合は、心筋梗塞などの心臓疾患に気を付けたいです。

 

一般的に心臓疾患の痛みは強烈な痛みですから、これは普通じゃないと分かるものですが、中には我慢強い人もいるので甘く見てはいけませんよ。

 

「心筋梗塞の前兆の1つでもある左肩の痛みに気を付けよう!!」

心臓神経症

これは心療内科や神経内科の領域ですが、酷いストレスや神経症を持っている方では、「発作的に胸部周辺に強い痛みや苦しさを感じる」事があります。

 

これを「心臓神経症」と呼びます。ただし命に関わるようなものではありません。

帯状疱疹

上でも述べましたが、胸部は帯状疱疹の好発部位です。すぐに水泡などの症状が現れずに後から出てくるケースもありますので注意が必要です。

 

帯状疱疹は、治療が遅れるとあとで「酷い神経痛」を遺すことがありますので早期の治療が必須です。

 

「神経障害性疼痛は何科を受診すべき!?厄介な疾患です!!」

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肋間神経痛に効くツボ

効果が確認できるツボはたくさんありますが、その中でも最も分かりやすくて取り組みやすいツボがあります。

 

隠白 別名:F1

 

内至陰 別名:F3

 

至陰 別名:F4

 

竅陰 別名:F5

 

厲兌 別名:F6

 

これらのツボは「井穴(せいけつ)」と呼ばれ、知る人ぞ知る特効穴です。詳しくは以下の記事を参照ください。

 

「井穴刺絡!万病に効くツボ治療決定版!?」

 

なお念の為に、私が肋間神経痛を発症した場合に行う対処法も書いておきます。

 

まず痛い場所を指で押さえたまま、痛みが楽になる姿勢を探します。楽になる姿勢が見つかったら、そのまま上半身を前のめりに倒し、ゆっくりと浅い呼吸を繰り返します。

 

すなわち、痛みから逃げる姿勢を作ってその状態を維持し、浅い呼吸を繰り返しながら「痛みが消えた」という自己暗示を脳に送り続けるのです。

 

すると、一定の時間の経過と共にだんだん痛みが楽になってきます。さすがに1週間続いた時はこれでも治りませんでしたが、たいていの場合はこの方法で改善できます。

 

また、背中の方に痛みがある場合は手が届きませんので、その場合は仰向けに寝て、テニスボールで痛い場所の周辺をゆっくり指圧します。

 

グリグリやってはいけませんよ。あくまで持続的に指圧の様な感覚でゆっくりと押圧してくださいね。かなり楽になりますので。

 

また、ツボ治療で治らない場合は「鎮痛薬」を服用して痛みを和らげる事も重要です。以下の記事もどうぞ参考までに。

 

「神経痛には鎮痛薬を使用すべきか?その判断基準は2つ!!」

 

以上。肋間神経痛の話でした。

 

肋間神経痛は罹患すると非常に強い痛みを感じる疾患です。

 

治療にも手を焼く場合が多いですから、「ストレス管理・睡眠の確保・運動不足の解消・体の柔軟性を養う」など、日頃から発症しない体作りに専念しておきましょう。

まとめ

*肋間神経痛は、主にあばら骨に沿うような形で発症する。

*胸部前面や側面、時には背部にかけて鋭い痛みが起こる。

*運動不足、睡眠不足、労働による酷使、ストレスによる呼吸の乱れなどが原因。

*心肺部などの内臓疾患からの影響にも注意を払う。

 「背中の痛みは内臓の病気かも!?痛む場所で分かる疾患!!」

*足の指にあるツボ(井穴)が最も取り組みやすい。

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