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いまや日本人の国民病と言っても過言ではないぐらいの疾患と言えば

 

「肩こり」

 

ですが、寒くなると血行の悪化などからますます肩がこりやすくなりますよね。この肩こりというのは、非常に治療家泣かせの症状なんですよ。

 

なぜなら、肩こりとは「病気ではない」からです。病気ではないので、定義が曖昧で定まった対処法もないのです。

 

また肩こりは、単に患部の筋肉が硬くなっているという事だけではなく、たとえば「呼吸器疾患」や「耳鼻科疾患」などの内科的疾患からも現れる症状です。

 

よって、ただやみくもに揉みほぐせば良いというものでもありません。心理的な影響なども含めて、多方面からのアプローチが必要な症状が肩こりなのです。

 

今回は、そんな厄介者の症状である「肩こり」についての話です。

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肩こり

肩こりに明確な医学的定義はありませんが、私自身の経験から思うところを述べてみたいと思います。

 

肩こりの際、つい手でほぐしたくなるあの場所には「僧帽筋(そうぼうきん)」という筋肉があるのですが、その僧帽筋を中心とした部位に

 

「不快なハリ感や鈍痛が生じる状態を肩こり」

 

と私は定義しています。

 

明確な痛みならば、例えば「五十肩」や「石灰性腱炎」や「腱板損傷」など他の損傷が考えられるので、あえて痛みではなく不快感と表現しています。

 

事実、明確な痛みを訴える患者さんの場合は、上で書いたような疾患であったり、冒頭でも述べたような内科的疾患の影響であったりする事も多いのです。

 

不快なコリ感や鈍痛を伴っているけれども、「押すと気持ち良いだけで明確な痛みはない」ような場合に、私は肩こりと捉える事にしています。

肩こりの分類

肩こりとは、「筋肉がパンパンに張っている状態」とよく表現されますね。

 

もちろんこれはこれで間違いではありません。ただこれだけでは片手落ちで、肩こりは「器質面」と「機能面」に分けて考える必要があります。

器質的肩こり

「器質」とは、筋肉が硬くなっているなどの物理的状態の事を指します。

 

血行が悪くなっていたり、動きが悪くなっていたり、筋肉が縮んでいたりと、体の物理的な原因で肩こり症状が起こることを

 

「器質的肩こり」

 

と呼びます。俗に言う「肩がパンパンに張っている」という状態はこちらに分類されますね。

機能的肩こり

「機能」とは、物理的な状態は関係なく神経の働きや心理的働きの事を指します。

 

要は患部がどうだこうだは関係なく、神経や心などの情動や感情的な問題から肩こり症状が起こることを

 

「機能的肩こり」

 

と呼びます。精神疾患等の患者さんでは、肩がそれほど硬くないのに酷い肩こりを訴える事が多いのですが、それなどはこちらに分類されますね。

 

例えば「電線」で考えると分かりやすいのですが、「電線が切れて通信が上手くゆかない」事を「器質の問題」と考えます。

 

電線は切れていないけど、「中の配線に不具合が生じて通信が上手くゆかない」状態を「機能の問題」と考えてみます。

 

そうすると、何となく理解しやすいのではないでしょうか。

 

肩こりだけに限らず、あらゆる疾患においてこの「器質と機能」という理解は大事になりますので、ぜひ頭に入れておいてくださいね。

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肩こりの原因

肩がこる原因は、それこそ書ききれないぐらいたくさん考えられますが、特に主だったものをかいつまんで列記してゆきます。

器質面の原因

筋肉が硬い

最もオーソドックスな肩こりです。

 

「運動不足・寒冷・緊張」などにより、僧帽筋などの筋肉が硬くなって動きが悪くなる事で、あの独特の不快感が生じます。

 

また僧帽筋のみでなく、肩につながりのある筋肉は全身に存在します。全身疲労によっても肩こりが発生するのはその為です。

呼吸器疾患

肺の疾患は、もろに肩こり症状として反映されやすいです。

 

しつこい肩こり症状に加えて「微熱・倦怠感・咳・食欲不振」などが見られる場合には、肺疾患の存在にも気を付けてください。

 

「背中の痛みは内臓の病気かも!?痛む場所で分かる疾患!!」

耳鼻科疾患

これが原因による隠れ肩こり症の方が非常に多いです。

 

風邪の時を思い出してほしいのですが、鼻や喉に炎症が起きると筋肉や関節が痛くなるでしょう。

 

それと同じで、「急性副鼻腔炎蓄膿症慢性咽頭炎・気管支ぜんそく」などが存在すると、しつこい肩こりが出現しやすいので要注意です。

 

「副鼻腔炎の治し方!頭の痛みや嫌な匂いを改善!!」

歯科疾患

歯科疾患からくる肩こりも意外に多いですね。

 

「虫歯・親知らず・歯槽膿漏・義歯の不具合」などがあると、肩に不快感が生じることが多々ありますので注意しておきましょう。

機能面

精神疾患

うつ病などの精神疾患を持っている場合は、筋肉がそれほど硬くないのに酷い肩こりを訴える方が多いです。

 

理由はよく分かっていませんが、精神が疲れると脳と患部との神経のやりとりが上手くゆかなくなり、実際には問題がなくても異常を感じてしまうのではないかと考えられます。

副交感神経の過剰興奮

甘いものや嗜好品などを過剰に摂取すると、自律神経の「副交感神経」が過剰に興奮します。

 

副交感神経が過剰に興奮すると良くも悪くも感覚が敏感になるので、その結果悪い方に感覚が研ぎ澄まされると、酷い肩こり症状を感じるようになります。

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肩こりに効くツボ

では、それぞれの原因に応じた効果の高い「特効ツボ治療」を紹介しましょう。

 

肩こりに使用する基本的なツボは

 

関衝(かんしょう) 別名:H5

 

竅陰(きょういん) 別名:F5

 

です。これらのツボは「井穴(せいけつ)」とも呼ばれ、知る人ぞ知る特効穴です。詳しい場所などは以下を参照ください。

 

「井穴刺絡!万病に効くツボ治療決定版!!」

 

どの肩こりであっても「この2つ」は必ず選択してください。その上で他の原因が思い当たるならば、以下を参考にツボを追加してみてください。

筋肉が硬い事による肩こり

基本通り「H5・F5」の刺激のみでも良いですが、頭部や背骨のライン、肩甲骨周りなどにも症状が有る場合は「H2・H4・H6・F4」を追加します。

肺疾患に伴う肩こり

肺の疾患には「H1」を追加します。ただし、医師の診断治療を受ける事が必須なのは言うまでもありません。

耳鼻科疾患に伴う肩こり

耳鼻科疾患には「H1・H6・F4」を追加します。この領域も、多くの場合で医師の診断治療が必須です。

歯科疾患に伴う肩こり

歯科疾患には「H6・F1・F4・F6」を追加します。歯科領域の不調は全身に関連します。歯科医師の診断治療も早めに受けましょう。

精神疾患に伴う肩こり

自律神経の調整が必要です。「H5・F5」は副交感神経にも効くのでそのまま行い、さらに交感神経に効く「H6・F4」を追加します。

副交感神経の過剰興奮に伴う肩こり

「H5・F5」は副交感神経にも効くのでそのまま継続して行いましょう。

 

ところで、なぜ私がいつも「ツボ治療」を紹介するかというと、ツボ治療はご自分で取り組みやすい治療法だからです。

 

治療院にお世話にならくても、その気になれば自宅で治療が可能だからなのです。体のコンディションというのは、自分の力で維持されてこそ本来の姿です。

 

よって、あなたにもそのような力をつけて頂きたいので、最も手軽な方法である「ツボ治療」を紹介しているわけです。

 

ぜひ頑張って覚えてみてくださいね。きっとあなたの役に立つはずですから。

 

以上。肩こりのツボについて話しました。

 

少なくとも肩こりは、単に患部を揉んでいれば治るという単純なものは少ないです。そもそも体は全体がつながっていますので、肩が悪くなる原因が肩にあるとも限りません。

 

それに大半は、上で書いたような内科的疾患の存在や精神面の不具合など、いろんな要因が混在して発生する場合がほとんどです。

 

肩こり症状にはそういった厄介な面があるという事は理解し、複合的な対処が必要であるという事を頭に入れておきましょう。

まとめ

*肩こりは僧帽筋周りの不快感を主訴とする症状。痛みが強いなら別の疾患の可能性もある。

*肩こりは、患部に問題がある器質的病変と、神経等の働きに問題がある機能的病変とがある。

*呼吸器疾患、耳鼻科疾患、歯科疾患などに伴う肩こりにも注意したい。

*肩を揉めば治るという単純な肩こりは少ない。本気で治すなら、全身のつながりを考えながら治療する必要がある。

*ツボ治療も効果がある。刺激する箇所が多いが頑張って挑戦しよう。

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