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最近CMでもよく見かけるようになりました

 

「神経障害性疼痛(しんけいしょうがいせいとうつう)」

 

という疾患があるのですが、みなさんも1度か2度はCMを見られたことがあるのではないでしょうか。

 

俳優さんが、「ビリビリ・ジンジン・チクチクする痛みは神経障害性疼痛かもしれませんよ」と声高に訴えているCMですね。

 

以前紹介した記事「慢性痛の原因は脳にあり!中枢性感作とは!?」でも書きましたが、長く続く痛みに関しては、この神経障害性疼痛が関与している場合が多いのです。

 

今回は、そんな「神経障害性疼痛」の概要と、いざ受診するとしたら「何科」を受診すれば良いのかという点を一緒に考えてゆく事にしましょう。

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神経障害性疼痛

いわゆる「慢性痛」と言われる長引く痛みの中で、通常の筋肉痛や関節痛とは明らかにレベルが違うひどい痛みがある場合、それは

 

「神経障害性疼痛」

 

であるかもしれません。特に、通常の鎮痛方法ではびくともしないような非常に頑固な痛みについては、かなりその可能性が高いです。

 

冒頭でも述べたように、「電気が走るような痛み」や「焼けるような痛み」であったりと、通常の筋肉痛や関節痛とは明らかに性質が違う痛みですね。

 

この原因としてはいろいろな事が考えられますが、「交通事故の後遺症・手術などの外力・糖尿病や脳卒中による合併症・切断による幻肢痛」などが多く見られます。

 

とにかく、何らかの原因で起きてしまった強い痛みを上手く鎮痛出来ずにその痛みとの付き合いが長くなってしまった場合に、この疾患を発症するリスクが高まります。

 

先日も、ある患者さんが「自分は神経障害性疼痛ではないか」と不安になって来院されました。どうやらCMを見て、自分の痛みがそれだと思い込んでしまったようです。

 

幸い私の診断では神経障害性疼痛ではないと思われたので、当院での治療を数回行ったところ、無事に痛みが軽減してゆき安堵しました。

 

そもそも神経障害性疼痛というのは、通常のリハビリや投薬治療で改善できるほど生易しい痛みではありません。

 

私の長い治療家生活において、神経障害性疼痛の方を数十人は診てきましたが、専用の薬を使用せずに症状を改善できた例は「わずか1例」のみです。

 

それほど厄介な痛みなのです。ですから神経障害性疼痛は、「治すよりも防ぐ」という予防の視点が大事になるのです。

神経障害性疼痛の原因は中枢性感作

脳や脊髄などの「中枢神経」レベルにおいて痛みが記憶されてしまう現象の事を

 

「中枢性感作(ちゅうすうせいかんさ)」

 

と言います。脳や脊髄に痛みの回路が出来上がってしまう為に、いつまで経っても痛みが消えなかったり消えてもまたぶりかえしたりと、痛みが不規則に動くのです。

 

非常に混沌とした痛みが日常慢性化してしまうのですね。そして、この

 

「中枢性感作こそが神経障害性疼痛の原因」

 

であると考えられています。先ほど神経障害性疼痛は「治すよりも防ぐことが重要」だと言いましたが、なぜそうなのかと言うと、この

 

「中枢性感作を改善する事は非常に困難」

 

であるからです。確かにCMでも紹介されているように、神経障害性疼痛に対する薬剤治療等の進歩は目を見張るものがあり、大変ありがたい事ではあります。

 

しかしそれでもまだ、神経障害性疼痛の改善がとても困難なものである事には変わりがありません。よって神経障害性疼痛を発症しない為には

 

「中枢性感作を起こさせない」

 

という予防の視点がとても大事になるのです。

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神経障害性疼痛を予防する

「神経障害性疼痛を予防する為には中枢性感作を発生させない事が大事」である、という事はお分かり頂けたでしょうか。

 

では、その為にもっとも必要な行動は何かと言うと

 

「痛みを決して我慢しない」

 

という事なんです。痛みは絶対に我慢してはいけませんよ。特に「じっとしていても痛い」という類の痛みは、「鎮痛剤」などあらゆる手段を用いて軽減すべきです。

 

よく「鎮痛剤は一時しのぎだから意味がない」と言っている治療家や患者さんを見かけますが、それは「神経障害性疼痛の怖さを理解していない」から言えるのです。

 

確かに薬の副作用は考慮すべきですが、それでも今後長い時間を神経障害性疼痛と向きあってゆく辛さを考えれば、私なら迷わず「鎮痛剤を使いなさい」とアドバイスします。

 

「痛みが強いほど、痛みとの付き合いが長いほど、神経障害性疼痛へ移行するリスクが高まる」

 

という事を、絶対に頭に入れておいて頂きたいと思います。ちなみに、通常の痛みが神経障害性疼痛へ移行する一つの目安ですが

 

「じっとしていても痛いという状態を、3か月以内に最低50%以上軽減させる」

 

ことです。個人的には、このラインを達成出来るか出来ないかが「分水嶺」になるのではないかと考えています。

何科を受診すれば良いか

近年では神経障害性疼痛の理解が広まってきており、多くのクリニックでその対応が可能になりつつあります。

 

しかし、専門領域の医師に診てもらう方がより確実ではありますから、以下に専門性の高い診療科を列記してゆきます。

神経内科

神経障害性疼痛治療の本丸です。

 

一番専門性が高い科ですが、どこにでもあるというわけではありません。大学病院や総合病院にはたいてい設置してあるでしょう。

 

紹介状が必要な場合が多いので、かかりつけ医に相談して紹介してもらうと良いでしょう。

心療内科

心療内科も大いに検討されるべきです。

 

辛い痛みの為に精神的に弱ってしまう方も多いので、心療内科においても神経障害性疼痛に対応をしてくれる場合がほとんどです。

 

痛みと心の関係性は非常に関連が高いのです。

ペインクリニック

麻酔の資格を持った医師が対応してくれる科です。

 

薬以外にも、ブロック注射や物理療法などさまざまな治療に力を入れてくれます。

 

痛みのスペシャリストの医師が対応してくれるので安心できますね。

かかりつけ医

内科などのかかりつけ医においても、専用の薬を頂く事が可能でしょう。

 

むしろ日頃からの信頼関係が構築できているならば、他院への紹介なども含めていろいろと相談に乗ってくれる医師も多いでしょうね。

 

ある意味では最も頼りになる存在ですから、普段からの関係構築を強化しておきたいですね。

整骨院

医師ではありませんが、私のようにこの分野の勉強をしている治療家もいます。

 

直接的な治療は難しいのですが、自分の痛みが神経障害性疼痛なのか気軽に相談したい場合には、当院のような整骨院ならば利用する価値があると思いますよ。

 

決して自院の宣伝ではありませんのであしからず。

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神経障害性疼痛の治療

現状では決して選択肢は多くありません。ただCMでも流されているように、少しずつ治療の選択肢や精度が高まっている事は間違いありません。

 

基本的には「投薬治療」になりますので、以下に代表的な薬剤を紹介しておきます。

リリカ・トラムセット・トラマールなど

神経障害性疼痛の「メイン薬剤」。

ノイロトロピンなど

神経障害性疼痛の「補助薬剤」。

ノルスパンテープなど

神経障害性疼痛の薬剤を「皮膚から吸収させる薬剤」。

サインバルタなど

「抗うつ剤」。抗うつ剤は、持続的な神経障害性疼痛の痛みに有効である事が多い。

テグレトールなど

「抗てんかん薬」。抗てんかん薬は、突発的な神経障害性疼痛の痛みに有効である事が多い。

 

どの薬剤が合うのかなどいろいろと試行錯誤する必要がありますが、上手く噛み合えばかなり有効となるケースも増えてきました。

 

その他まだ一般的な治療法ではありませんが、中枢神経に電極を埋め込んで鎮痛電流を流す治療や、体外から同様の手法で電流を流す治療などが検討されています。

 

もう10年もすれば、かなり有効な手法として広まってくるのではないでしょうか。多いに期待したいところです。

重要な関連記事

さて、神経障害性疼痛の理解を頂いたところで、通常の関節痛や筋肉痛に関してもぜひ知識を蓄えておいて頂きたいものです。

 

特に「運動器における安静時の痛み(じっとしていても痛い)」に関しては、神経障害性疼痛へ移行するケースがけっこう多い分野です。

 

時間が有る方は以下のリンク記事にも飛んでいただいて、ぜひともプラスアルファの知識をつけておかれてくださいね。

 

「頭痛は何科に受診したら良い!?3つの選択肢から選ぼう!!」

 

「首の痛みは病院の何科に行くべき?4つの選択肢から選ぼう!」

 

「肩の痛みは何科に行けば良い!?4つの選択肢から選ぼう!!」

 

「肘の痛みは何科に行くべきか?2つの選択肢から選ぼう!!」

 

「手首の痛みは何科にかかれば良い?2つの選択肢から選ぼう!」

 

「指の痛みは何科に行けば良いの?3つの選択肢から選ぼう!!」

 

「腰の痛みは何科に行けば良い!?5つの選択肢から選ぼう!!」

 

「股関節の痛みは何科に行くべき?3つの選択肢から選ぼう!!」

 

「膝の痛みは何科にかかれば良い?2つの選択肢から選ぼう!!」

 

「足の痛みは何科を受診したら良い?2つの選択肢から選ぼう!」

 

「神経痛は何科に行ったら良いのか?6つの選択肢から選ぼう!!」

 

以上。発症すると大変やっかいである「神経障害性疼痛」の話でした。

 

とにかく防ぐことが重要な疾患です。今回の記事を何度も読み返して頂き、このような辛い疾患に悩まされる事態が起きないように、どうぞお役立てください。

まとめ

*神経障害性疼痛は、通常の痛みとは明らかに違うレベルの辛い痛みを起こす疾患。

*神経障害性疼痛の原因は中枢性感作にある。

*中枢神経系に痛みの回路が出来る事を中枢性感作と言う。中枢性感作は改善が非常に難しい。

*強い痛みを放置したり上手く鎮痛出来なかった場合に、中枢性感作を発症する事がある。

*中枢性感作を起こさせない事が、神経障害性疼痛を予防する上で非常に大事な視点である。

*じっとしていても痛むような症状は、どんな手段を使っても徹底的に叩くべき。

*3か月以内に安静時の痛みを50%以上鎮痛させる事が、予防上の一つの目安。

*専門の科を早期に受診すべき。神経内科や心療内科やペインクリニックなどが良い。

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