元来日本人は、欧米人に比べて「口臭」に対する意識が低いと言われています。

 

しかし近年は、清潔志向や美容意識の高まりにより、口臭に対する意識も高まっていますね。

 

今回は、そんな口臭を引き起こす厄介な疾患の一つ、

 

「蓄膿症(慢性副鼻腔炎)」

 

を紹介します。

 

蓄膿症の特徴としては、鼻疾患の為に、厳密には口臭以上に「鼻臭」が問題となる事を知っておきましょう。

 

要は「鼻息も臭い」状態となるのですね。

 

通常の口臭なら、まだ口を閉じておけばそれほど問題とはなりにくいのですが、蓄膿症の場合は口を閉じていても鼻息から匂うのですから、これはなかなか困った疾患です。

 

周りの方とのコミュニケーションにおいて、とてもデリケートな問題となりますからね。

 

よって、万が一蓄膿症に罹患した場合には、直ちに治療に着手して早期の改善を促すことが必要です。

 

今日は、そんな「蓄膿症」の話です。

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蓄膿症(慢性副鼻腔炎)の原因

鼻の奥には、「前頭洞・篩骨洞・上顎洞・蝶形骨洞」などの「副鼻腔」と呼ばれる空間が存在しますが、この副鼻腔に細菌等が感染して炎症を起こす病態を「副鼻腔炎」と呼びます。

 

通常は、風邪の後などに急性に発症するので「急性副鼻腔炎」として治療が進んで行きますが、不幸にも上手く治りきらず慢性化した場合に、「慢性副鼻腔炎=蓄膿症」と呼ばれています。

 

鼻腔内は通常、感染等により炎症を起こして「膿」が溜まったとしても、副鼻腔から鼻へと自然に排出されやすい構造になっています。

 

ところが、感染が酷く炎症が長引いてしまうと、鼻腔内の粘膜が腫れてしまいその排出路を塞いでしまうのです。

 

その結果、副鼻腔内に膿がどんどん溜まってゆき、終にはあの独特の嫌な匂いが鼻に充満する事となります。

 

また、炎症が慢性化してますます腫れが酷くなると、最後には「鼻茸(はなたけ)」というポリープが出来てしまう事もあります。そうなると、最悪手術による治療が必要になるケースもあります。

 

非常に気を付けておきたい疾患です。

蓄膿症の症状

急性副鼻腔炎と症状が似ていますので、詳しくは「副鼻腔炎の治し方!頭の痛みや嫌な匂いを改善!?」もご覧ください。

 

自覚症状はいろいろとあるのですが、特に訴えが多い症状として、「頭痛・額や頬の痛み・嗅覚障害・いびき・鼻づまり・異臭」などです。

 

この中でもとりわけ問題となるのが「異臭」です。つまり「変な匂いがする」という症状です。

 

なぜ問題かと言うと、この匂いは「下水・ドブ・生ごみ・魚の腐った匂い」などと表現されるほど臭く、しかも周囲にその匂いを撒いてしまうので、対人関係において、とてもデリケートな問題を孕むことになるからです。

 

よって、蓄膿症に罹患してそのような匂いが自分で気になる時、または誰かから匂いを指摘された時は、決して甘く考えずに、「最後まで治しきる」という覚悟を持って治療に臨む必要があります。

 

その他の症状としては、鼻が詰まって口呼吸になるので、口や喉が渇いてヒリヒリしたり、喉の異物感が強くなる等の症状が出る場合もあります。

 

また、常に頭が重いという症状も付きまといやすいので、集中力が欠如したり睡眠障害を来たしたりする場合もあります。

 

このように、二次三次の症状に苦しめられる厄介な疾患が「蓄膿症」なのです。

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蓄膿症の治療

以前は蓄膿症は難治性疾患だったのですが、近年は医療の進歩により様々な治療法が確立してきました。

 

<抗生物質>

基本的に、抗生物質治療が主体となります。

 

特に最近は、マクロライド系の抗生物質に、殺菌力だけでなく粘膜の正常化や抵抗力を高める作用があると分かったので、少量ずつ長期間服用するという治療法が主流となっています。

 

重症でなければ、約7割程度の方はこの治療法で治癒してゆくようです。

 

ただし、最低でも1~2か月は服用を続ける必要があるので根気が求められます。途中で治療を放棄してしまわない事が大事です。

 

<漢方治療>

漢方薬治療も一定の効果が見られます。

 

鼻炎系統の漢方薬は少々味が不味く、お世辞にも飲みやすい漢方薬だとは言えませんが、効く人には効くので、抗生物質治療に抵抗がある方はやってみる価値はあると思います。

 

詳しくは「小青龍湯に副作用はあるの!?鼻炎におすすめ~漢方編2~」をご覧ください。

 

ただし、漢方だから副作用が無いという考えは間違いですし、抗生物質に比べて科学的データや再現性に乏しいという点は考慮しておく必要があります。

 

個人的には、通常の鼻炎の体質改善等には漢方薬も良いと思いますが、こと蓄膿症の治療においては抗生物質で行くべきだとは考えています。

 

<手術>

マクロライド系抗生物質の治療が奏功しない方や、鼻茸(ポリープ)ができている方などでは、手術による治療が適応となる場合もあります。

 

鼻の手術は大変痛い事でも有名ですが、近年は麻酔技術の発達により、また除痛に特化した手術を行うクリニックも増えており、以前ほど苦痛を伴うものではなくなりました。

 

出来るだけ手術は避けたいところですが、前述のように痛みも少なくなり入院も短期間で済むので、耳鼻科専門医から「手術しかない」と勧められた場合には、思い切って検討すべきではないでしょうか。

 

<鼻うがい>

こちらの記事「鼻うがいの効果は絶大!本気で風邪を予防したい人はぜひ!!」を参考にされてください。

 

一点だけ注意です。リンク記事では、鼻うがいの際に「鼻をかんではいけない」と書いていますが、蓄膿症自体においては、膿を出すために「鼻をかむ」必要があります。

 

なので、普段はしっかりと鼻をかむ習慣も大事です。あくまで、鼻うがいの最中や直後にかむと中耳炎を併発するリスクがあるという事です。

 

蓄膿症における鼻うがいでは、鼻うがいをしてから10分ほど経った後に静かに鼻をかむようにすれば、それほどリスクは無いのではないかと思います。

 

その際の鼻のかみ方ですが、「片方ずつ鼻を押さえてかむのではなく、鼻は一切押さえずに両方同時に静かに鼻をかむ」のがコツです

 

少々コツが入りますので、自信が無い方は耳鼻科で鼻の洗浄をしてもらうようにしましょう。

 

<水泳>

多少余談になりますが、水泳やサーフィンを実践する事で「鼻の疾患が治った」という声もよく聞きますね。

 

おそらく、勢いよく入ってくる水を鼻から思い切り出す習慣が身につく事で、自然と鼻の中が洗浄されて、粘膜が鍛えられるのだろうと思います。

 

それが、鼻の疾患の改善に良い効果をもたらしているのではないでしょうか。

 

ハワイなどでは、風邪や鼻の疾患などの際にサーフィンを行うという健康法があるらしいのですが、おそらく経験則でそういった事を肌で理解しているのでしょう。

 

ぜひ一考する価値はあると思います。

 

ただし、ちゃんと耳鼻科での治療を受けながら、という事は言うまでもありません。

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口臭や鼻臭の判定

さて、気になる口臭や鼻臭の判定ですが、「ブレスチェッカー」を使いましょう。インターネットや家電量販店で手軽に購入する事が可能です。

 

一般的には、匂いを「0~5」の6段階で評価する機器が多いようで、この数値の出方により、現在の症状や改善具合を判定してゆくと良いでしょう。

 

基準としては「0」が理想ですが、そもそも人間には生理的口臭というものがあり、全く無臭という人はいませんので「0」を目指す必要はありません。

 

現実的には、「1~2」の数値ならばそれほど問題となる匂いではないでしょう。

 

「3」ぐらいになってくるとやや強めの匂いになりますので、あまり油断はできない状態だと判断できますし、「4~5」であるならばかなり強めの匂いを周囲に感じさせている可能性が有ります。

 

そのような場合は、当面しっかりと治療に専念すべきという判断になります。

 

なおブレスチェッカーは、歯磨き粉の匂いや口臭スプレーの匂い等にも反応しますので、それらを使用した直後では正しく判定できません。あくまで平常時の匂いで判定することが大切です。

 

また、何より正確なのは人間の鼻です。信頼できる方が近くにいるならば、勇気を出して相談し、直接匂いを判定してもらう方が確実でしょう。

 

以上。蓄膿症の話でした。

 

この疾患は、体の苦痛はもとより、周囲との人間関係などにも影響を及ぼす厄介な疾患です。

 

まずは、急性副鼻腔炎の状態から蓄膿症に移行させない事が重要です。

 

そして、不幸にも万が一移行してしまった場合には、直ちに治療に着手して根気強く完治を目指してゆく姿勢を忘れないでください。

まとめ

*副鼻腔炎が慢性化した状態を慢性副鼻腔炎、通称蓄膿症と呼ぶ。

*感染による炎症から膿がたまってしまうので、口臭や鼻臭がする。

*とても強い匂いなので、周りの人間関係などにも影響する。

*マクロライド系抗生物質により多くは改善するが、一定期間は服用を続ける必要あり。

*鼻うがいや水泳による後方支援で改善を促進したい。

*口臭や鼻臭の判定にはブレスチェッカーの活用を。

*ツボは「H1とH6とF4」。詳しくは「井穴刺絡!万病に効くツボ治療決定版!!」を参照。

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