幾分寒さも和らいできましたが、まだまだ
厳しい寒さの日も多いですね。

 

さて、そんな寒い時期の定番症状と言えば

 

「神経痛」

 

です。当院でも、2月は神経痛の症状で来院される患者さんがとても多く、かなり悪戦苦闘しました。

 

この時期の神経痛は、いったん暴れだすとなかなか簡単には落ち着いてくれないですからね。

 

特に、「夜も痛んで眠れない」ような重症患者さんの場合、病院で「鎮痛薬」を処方されている方も多いのですが、皆さん薬を使用する事には抵抗もあるようです。

 

ただ、神経痛においては「鎮痛薬を使用した方が良い場合もある」ので、そのあたりの見極めが出来るようになる事が重要です。

 

そこで今回は、「神経痛と鎮痛薬の関係」について考えてみたいと思います。

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神経痛

神経痛と言えば、「坐骨神経痛や肋間神経痛」などが有名ですが、実は神経痛というのは「病名ではなく症状名」なのです。

 

つまり「坐骨神経痛」という病気があるのではなく、「坐骨神経痛」という症状があると考えるのです。

 

ただ、世間一般には広く「神経痛」という言葉が浸透しているので、便宜上私たちも神経痛という病気として患者さんには対応をしています。

 

患者さんにすれば、病気だろうと症状だろうと結局「治れば良い」わけですからね。

 

さて、上にあげた坐骨神経痛と肋間神経痛ですが、臨床上たいへんよく見受けられる症状です。なのでこの2点については以前記事にも書いています。

 

良かったらそちらの記事もどうぞ参考にしてください。

 

坐骨神経痛に効くツボ!寒くなると増える神経痛!

 

肋間神経痛に効くツボ!寒くなると増える神経痛!

神経痛を2つに分けて考えてみる

神経痛に対応してゆく上で真っ先に考えなければならない事は、

 

「鎮痛薬を使用してでも止めるべき痛みか」

 

「鎮痛薬を使用せずとも良い痛みか」

 

そこの見極めがとても大事になります。

 

なぜなら神経痛が重症化および慢性化すると、非常に厄介な「神経障害性疼痛」という難治性の酷い痛みに移行する可能性があるからです。

 

この「神経障害性疼痛」の怖さについては、以下の記事にまとめていますのでぜひともご覧ください。

 

神経障害性疼痛は何科を受診すべき!?厄介な疾患です!

 

で、そこをどのように判断するのかですが、大きく2つに分けて考える事が必要です。

 

「じっとしていても痛いのか」

 

「じっとしてれば痛くないのか」

 

ここが分かれ目です。つまり「安静にしていても痛むのか」、あるいは「安静にしていれば痛くないのか」を判断する事なのです。

 

言われてみればとても簡単な基準なのですが、痛みが強い方は、案外このあたりがごちゃ混ぜになって混乱していますので、ぜひこの点をよく観察するようにしてください。

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神経痛と鎮痛薬

「痛み止めは一時しのぎでしょう?」

 

「どうせ飲んだって治るわけじゃないのでしょう?」

 

これはよく患者さんが言われるセリフですが、また治療家サイドでもそのような認識の者がけっこう多いのには驚きます。

 

確かに、鎮痛薬は「根治」を目指せる薬ではありません。ただはっきり言っておきますが

 

「一時でも痛みを止める事には大きな意味が有る」

 

のです。先ほど上でも書きましたが、「神経障害性疼痛」という非常に痛くて難治性の神経痛は、基本的に初期の強い痛みを長く放置した結果の産物だからです。

 

痛みを脳が学習してしまい慢性化する病態だからです。簡単に言えば

 

「脳や脊髄が痛みを学習して記憶してしまう」

 

のです。だから、そうなってからあれこれと鎮痛薬を使い始めても、すでに痛みの回路が出来上がってしまっている為に、なかなか鎮痛が上手くいかないのですよ。

 

ゆえに、一時であっても強い痛みを和らげたり止めたりする事は、脳への痛みの信号を遮断できるので、とても重要な行為なのです。

 

ではどちらの場合に「鎮痛薬を使用すべき」かと言うと、それはもちろん

 

「じっとしていても痛む場合に鎮痛薬を使用すべき」

 

です。安静にしていても痛むのですから、その神経痛はとても性質が悪く、常に痛みの信号が脳へ行っている状態と言えますね。

 

なので、じっとしていても痛む場合においては迷わず鎮痛薬を使用して痛みの減少を試みるべきです。

 

当然、リハビリや施術も並行しながらで構いませんよ。むしろ、リハビリや施術と併用した方が早期に神経痛は改善しますので。

 

なお「動く時だけが痛くてじっとしていれば痛くない」という場合には、無理して鎮痛薬を使用しなくても良いでしょう。

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神経痛に効く鎮痛薬

では、具体的にどんな薬が神経痛に効くのかを、臨床上有効な場合が多かった薬を中心に紹介してゆきます。

ロキソニン

最近では市販でも販売されるようになったのでご存じの方も多いかと思います。

 

「一般的な神経痛全般」

 

に効果が確認できます。特に、じっとしていても疼くような痛みには有効です。ただし、筋肉のこわばりやハリ感などにはあまり効きません。

CMCP

基本的に頭痛薬なので、「脳神経外科」で主に処方される薬剤であり、内科等ではあまり積極的に処方される薬ではありません。

 

「筋肉のこわばりやハリ感が主体」

 

の神経痛に効果が期待できます。ただし市販では手に入りません。

 

どうしても市販で類似品を探すならば、あまり数は多くないと思いますが、「コリに効く」などの文言がある市販薬には、ある程度類似の効果が期待できるかと思います。

 

「CMCP」はすぐに出してもらえる類の薬ではありませんので、医師に交渉して処方してもらう必要があるでしょう。

 

かかりつけ医などに相談してみる事をおすすめします。

リリカ・トラムセット

CMでもおなじみの「神経障害性疼痛」専門に作られた薬です。

 

ロキソニン等が効かない複雑な痛み、特に

 

「灼熱痛や電撃痛」

 

などに有効です。特殊な薬なので、多少「ふらつき」などの副作用が現れやすいですが、こじれた痛みには効果を発揮してくれます。

 

ペインクリニックや心療内科など、痛みに精通した医師がよく処方してくれる薬です。

 

いきなり効果を体感できる場合と、しばらく使用する事で徐々に体感できる場合とがありますが、いずれにしても、これらの鎮痛薬を併用しながら上手く神経痛を黙らせましょう。

 

以上。神経痛と鎮痛薬の話でした。

 

薬というものは、使うか使わないかではなく、使うべき時と使わない時の見極めが大切なのです。

 

どんな薬にも副作用は存在しますが、正しく使えば日々の生活を円滑に手助けしてくれる存在でもあります。

 

ぜひどんな病気においても、「薬を使用するタイミングや基準」というものを意識する習慣をつけて頂きたいと思います。

 

それが、必ず皆さんの利益につながってゆくはずです。

まとめ

*神経痛は病名ではなく症状名。

*強い神経痛を放置すると、神経障害性疼痛という厄介な状態に移行する事がある。

*じっとしていも痛むような場合は、迷わず鎮痛薬を使用すべき。

*動く時だけが痛むような場合は、薬ではなくリハビリや施術で地道に改善を目指そう。

*薬を使うか使わないか以上に、薬の使い方の基準やタイミングを知る事の方が利益になる。

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