病気の前兆シリーズ第5回です。

 

今回は、生命に関わるような疾患の前兆がよく現れやすい

 

「胸部」

 

の異常について、「苦しい・痛い」などの症状を多角的に見ながら、どんな疾患の存在が考えられるのか見てゆきましょう。

 

なお、今回の記事には「頚部」の症状も含めて書いてゆきます。

 

重要疾患めじろ押しですので要チェックです。

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首のリンパ節が腫れる

首のリンパ節が腫れた時の重要なサインは、「押して痛いか痛くないか」という点です。

 

「押して痛い」場合、それは「風邪などの炎症」による単純な腫れという事になり、

 

「押して痛くない」場合、それは「悪性リンパ腫・白血病・がんの転移」など、厄介な腫瘍性疾患が原因である可能性が濃厚となります。

 

つまり、押して痛くない場合の方が怖いのです。この場合、早急に甲状腺内科や血液内科等を受診しましょう。

 

ただし、最近また猛威を奮いだしている「梅毒(ばいどく)」等では押しても痛くない場合があり、すべての腫れが腫瘍性という事ではありません。

喉ぼとけ(甲状腺)の辺りが腫れる

甲状腺の辺りが腫れている時に重要なサインは、「腫れの境界が明瞭」であるか、また「腫れが硬いか柔らかいか」という点です。

 

「腫れが明瞭で押しても痛くない」場合に多いのが、「甲状腺機能亢進症(バセドウ病)」です。

 

汗かきで血圧が高くて脈が速いような体質の方がこのような腫れ方を呈してきた時は注意しましょう。

 

「腫れが明瞭で硬さが柔らかい」場合には「良性の腫瘍」というケースが多いです。

 

たいていは自然に軽快してゆきますが、念のため甲状腺内科等を受診しておきましょう。

 

「腫れが不明瞭でとても硬い」場合、これは「甲状腺がんなどの悪性腫瘍」という場合が多いです。急いで、かかりつけの内科や甲状腺内科等を受診しましょう。

首が前に曲がらない

単なる寝違いではなく、「発熱・頭痛・嘔吐」などの風邪症状がある場合の話になります。

 

このような場合に「痛くて首が前に曲がらなくなる」症状を「髄膜刺激兆候」と言い、「髄膜炎」という非常に重篤な疾患の可能性を示唆しています。

 

特に小児に多い「細菌性髄膜炎」は生命に関わる重篤な疾患です。急いで小児科を受診しましょう。

 

また「意識障害」などが同時に見られるような場合は、ただちに救急車で救命小児科へ搬送してもらう必要があります。

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胸が痛い

胸の辺りが「強烈に痛む」場合、心臓疾患に要注意です。

 

「痛みの発作が数十秒~数分」で収まる場合は「狭心症」の可能性が高く、

 

「痛みの発作が止まらず、死の恐怖を伴うような猛烈な痛み」が襲ってくる場合は「心筋梗塞」の可能性が高まります。

 

心筋梗塞は致死率が約30%と非常に重大な疾患であり、急いで救急車で心臓外科等に搬送してもらう必要があります。

 

また心筋梗塞では、胸の痛みだけでなく「左肩や左腕にも痛みが拡がる」事があり、五十肩と間違えやすいのでご注意ください。

 

このあたりの見分け方は、「心筋梗塞の前兆の1つ!左肩の痛みに気をつけよう!!」でも詳しく書いていますのでぜひご覧ください。

あばら骨の付近が痛い

肋骨付近が痛む場合は神経痛が考えられます。

 

「肋骨の中の方が痛む」場合は「肋間神経痛」が考えられます。片側に出る事が多く、安静時の痛みもさることながら、吸気時に痛みが強くなる傾向があります。

 

「肋骨に沿うようにビリビリした痛みがある」場合は「帯状疱疹」が考えられます。片側のみに発現し、かなり強い痛みを伴います。たいていは連続した赤い水泡群が見られます。

 

帯状疱疹は、幼いころに罹患した「水疱瘡(みずぼうそう)」のウイルスが再び活性化して暴れだす疾患で、疲れの蓄積や免疫が低下した時などに発生しやすいです。

 

急いで抗ウイルス剤を服用しないと、辛い「帯状疱疹後神経痛(神経障害性疼痛)」を遺す事があります。ただちに皮膚科や内科等を受診してください。

男性なのに胸が膨らんでくる

「男性なのに胸が膨らんでくる」現象を「女性乳房化」と言い、「慢性肝臓病」のサインです。

 

肥満体の胸の膨らみとは明確に違います。

 

かなり肝機能が落ちてきているサインで、肝硬変や慢性肝炎等の重症疾患の精査が必要です。かかりつけの医師によく診察してもらう必要があります。

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息苦しい

<気管支ぜんそく>

咳、呼吸困難(息を吐けない)、チアノーゼ(唇が青紫色になる)、発汗などを伴います。

 

小児に多く、就寝時など体を横に倒す姿勢で発作が起こりやすい傾向があります。

 

<気管支炎>

咳、タン、呼吸困難などを伴います。多くの場合で発熱も見られます。

 

<肺炎>

発熱、食欲の低下、易疲労感、呼吸困難などを伴います。

 

小児では「ウイルス性肺炎」高齢者では「細菌性肺炎」が多いです。

 

また近年、難治性の細菌性肺炎である「マイコプラズマ肺炎」も流行しやすいのでご注意ください。

 

<肺がん>

進行するまではっきりとした症状は出にくのですが、喫煙者が、血タン、酷い肩こり、呼吸困難などを訴えたら肺がんを疑うべきです。

 

<肺気腫>

喫煙者に多く、喫煙歴が長くて慢性の気管支炎のような状態をこじらせると発症しやすくなります。

 

息切れ、タン、呼吸困難などが出てきます。

 

肺が機能しなくなる疾患なので臨終間際が非常に苦しいです。今際の際に苦しみたくなかったら、絶対に禁煙をおすすめしておきます。

 

<肺結核>

昔は「死の病」でした。近年再び流行の兆しが見られ、先進国でも油断はできません。

 

呼吸困難以外に、血タンと寝汗が特有の症状です。

 

抗生物質による長期治療が必要な疾患です。

 

<気胸>

肺が圧迫されて縮んだ状態となる疾患です。突然の発症が多く、非常に強い呼吸困難症状が現れます。

 

極度の痩せ型体型の方に多く、特に喫煙者の男性に多い傾向があります。

 

以上。胸の辺りが苦しい時や異常を感じる時に考えられる疾患でした。

 

頚部から胸部にかけては、心臓や肺など生命に関わる臓器疾患の前兆がよく現れてきます。出来るだけ早い段階でその前兆に気付けるように、しっかりと予習しておいてくださいね。

 

また上記以外にも、細かく言えばいろいろな前兆症状が存在します。何か少しでも気になる症状がある方は、必ずかかりつけ医などへ相談するようにしてくださいね。

まとめ

*首のリンパが腫れる時は、風邪などの炎症か腫瘍の可能性。

*喉ぼとけのあたりが腫れる時は、バセドウ病か良性腫瘍か甲状腺がんの可能性。

*首が前に曲がらない(発熱や嘔吐を伴う)時は、髄膜炎の可能性。

*胸が痛い時は、狭心症か心筋梗塞の可能性。

*あばら骨の辺りが痛い時は、肋間神経痛か帯状疱疹の可能性。

*男性なのに胸が膨らんでくる時は、慢性肝臓病が悪化している可能性。

*息が苦しいときは、気管支ぜんそく、気管支炎、肺炎、肺がん、肺気腫、肺結核、気胸などの可能性。

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