もうじき楽しいGWですね。しかしGWとは、実は私たち治療家が最も警戒する時期の1つでもあるのです。

 

何故かと言うと、ゴールデンウィークには交通事故が多発しやすいので、連休明けに

 

「首の痛み」

 

で来院される患者さんが増えるからなのです。

 

首の痛みは、頭に近い分だけ頭痛や吐き気などの症状を伴うケースも多く、症状経過や治療の進行にとても神経質になります。

 

それだけ首の痛みというのは軽視できないという事なのです。

 

今回は、「交通事故」以外にも日常でよく経験する「首の痛み」を勉強しながら、病院等を受診する際には何科を受診したら良いのか検討してゆきましょう。

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首の痛みの種類

まずは、首の痛みにはどんな種類のものがあるのか挙げてみましょう。

寝違え

もっとも多くの方が経験する首の痛みではないでしょうか。

 

起床時に突然「首の痛み」を自覚し、前後に倒したり左右に回したりすると痛むという症状が現れます。

 

原因は、就寝時の不良姿勢によって発生する「筋肉の硬直」にあります。だから、固まって縮んだ筋肉を無理に伸ばそうとする動きをとると、痛みが走るのですね。

 

たいていは大過なく回復してゆくのですが、まれに「ロボット」のような角ばった動きしか出来なくなる重症の痛みも見受けられますので、あまり軽く見てはいけません。

 

落ち着くまでに早い人で1~2日、長引く人で1~2週間と個人差はありますが、多くは自然に軽快してゆきます。ただし、治療を行った方がより早くは治ります。

 

なお、直接患部を揉んだりボキボキと矯正するような治療はおすすめできません。かえって悪化する危険性があり非常にリスクが高いです。

 

それよりも、患部はあまりいじらず手や腕や腰などをほぐす方が、間接的に頚部に影響するので治りが早くなるでしょう。

 

また、患部を「温めて痛みが楽になる」場合は軽症ですのでそのまま温めてもらっても良いですが、反対に「温めて痛みが強くなる」場合は重症ですので、逆に「冷やす」方が良いでしょう。

 

「首を寝違えて治らない時の湿布の正しい使用法は!?」

胸郭出口症候群

こちらは比較的女性に多い疾患です。

 

「胸郭出口(きょうかくでぐち)症候群」は、首~肩~腕にかけて痛みやしびれが起きる疾患で、主に夜間や起床時に症状が強く出やすい傾向にあります。

 

その原因としては、「猫背」や「頚部の筋肉硬直」などにより、鎖骨周辺を通る筋肉や血管に負担がかかる為だと考えられます。

 

特徴的な症状として、「バンザイの姿勢をとると楽になる」という場合が多いです。つまり、首回りの重力を逃がしてあげると楽になるのですね。

 

胸郭出口症候群では、急性の強い痛みではない限り、ある程度直接患部に治療を施した方が楽になる場合が多いです。

 

ただし、ただがむしゃらに患部をほぐせば良いというものではありませんよ。

 

やはり手や腕や腰などの筋肉をまずほぐしておいてから、その上で、最小限の刺激量で患部にも治療を施すと良いでしょう。

 

なお、温めて血流を良くする事が大切ですが、温める場所としては首や肩だけでなく、首の前方「鎖骨の窪みあたり」を温めるとより有効です。

 

「腕を上げるとしびれや痛みが!それ胸郭出口症候群かも!?」

頸椎症・頸椎椎間板ヘルニア

こちらは比較的男性に多い疾患です。

 

「頚椎症」や「頸椎椎間板ヘルニア」は、首~肩~腕にかけて強い痛みやしびれが起きる疾患で、日中の仕事時や運動時などに症状が強く出やすいです。

 

原因としては、重たいものを抱えたり不良姿勢を継続するような作業などによって、肩甲骨周りの筋肉や血管に負担がかかるために起きます。

 

特徴的な症状としては、「首を後ろに反らすと痛い」という症状がよく見られますね。

 

この疾患ですが、以前「腰の椎間板ヘルニア」の記事を書いた際にも言ったように、一般的には「脊髄の圧迫が原因」と言われていますが、実は一部に誤解もあります。

 

簡単に言うと、「痛みやしびれのみ」の症状ならばいきなり手術というリスクを冒す必要はないのですが、実際には手術に踏み切る方が多いのも実状です。

 

しかし、本来手術が必要なケースというのは「運動麻痺症状」が見られる場合なのです。つまり、「指や腕に力が入らない」などの運動麻痺症状ですね。

 

このあたりの見極めをしっかり行ってから手術に踏み切るならば良いのですが、けっこうな数の方が「痛みやしびれのみ」なのに手術を受けています。

 

上手く行けばそれでも良いのですが、切った後から「やらなければよかった」と後悔する方が後を絶たないという現状もあります。

 

後で後悔しない為にも、しっかりとそのあたりの知識を学んでおかれる事をおすすめします。

 

詳しくは以下の記事にてどうぞ。「腰」の記事ですが考え方は同じですから参考になるはずです。

 

「椎間板ヘルニアは手術すべきか!?ズバリその判断基準とは!」

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むち打ち症

交通事故による「むち打ち症」での首の痛みは、もっとも注意が必要な痛みです。

 

交通事故の場合、日常で経験することのないような大きな外力が突発的に発生しての負傷となります。

 

よって、筋肉以外にも首回りの血管や自律神経など、いろいろな部分が障害を受けるので、非常に多彩な症状に苦しめられるのが特徴です。

 

「首肩の痛み・頭痛・吐き気・発熱・手足のしびれ・気力の減退・生理の乱れ」など、実にたくさんの症状に苦しめられる方が多いのです。

 

このむち打ち症に関しては、放っておくと実に怖い「神経障害性疼痛」に移行するケースがまれにあります。女性に多いのが特徴です。

 

つきましては、とにかく受傷直後からしっかりと専門知識を持った医療機関で治療を受けるべきです。

 

「交通事故でむち打ちになった際に絶対に知っておくべき8つの事!」

 

交通事故治療の進行上もっとも念頭に置くべきは、「神経障害性疼痛に移行させない」事と、そのためには「決して痛みを我慢しない」という事です。

 

鎮痛薬なども上手に併用しながら、とにかく「強い痛みを早く軽減する」という1点に集中してください。

 

むち打ち症に関しては特に言えるのですが、痛みを軽くすること自体が治療なのです。「1に鎮痛2に鎮痛、3・4が無くて5に鎮痛」という姿勢で集中しましょう。

 

関節の動きが悪いなどの運動障害症状は、強い痛みが落ち着いてからでも充分間に合います。とにかく、まずは安静時の痛みを早めに鎮痛する事です。

 

神経障害性疼痛に関しては以下の記事も参照ください。

 

「神経障害性疼痛は何科を受診すべき!?厄介な疾患です!!」

肺炎・髄膜炎

内臓疾患による首の痛みはあまり多くは見られないのですがそれでも「肺炎」と「髄膜炎」には要注意です。

 

「肺炎」では首~肩~背中の強いハリ感や鈍痛がよく見られ、首を下に曲げようとすると背中が痛むという症状が出る事があります。

 

「髄膜炎」では発熱や頭痛や吐き気があるのに加え、首が硬直して下に曲げる事が出来ないという「髄膜刺激症状」が出ます。

 

髄膜炎の多くは乳幼児に見られ、場合によっては死に至るケースもある重大な疾患ですので気を付けましょう。

 

肺炎では高齢者。髄膜炎では小児。いずれにしても、生命に関わるような重大事態に陥るケースもありますので要注意です。

 

「高齢者の肺炎!細菌性肺炎に見られる症状は!?」

 

「髄膜炎は大人もかかるの!?怖い細菌性髄膜炎の兆候!!」

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何科を受診したら良いのか

では、こういった首の痛みに関して「何科を受診したら良いのか」という事になりますが、受診を検討すべき医療機関として以下の4つが代表的なものと言えます。

 

「整形外科」

 

「ペインクリニック」

 

「内科」

 

「整骨院」

 

以上の4つが検討すべき医療機関として考えられます。

 

次項で、これらの医療機関について詳しく考察してみましょう。

整形外科

骨軟骨や関節のスペシャリストである「医師」が診療を行ってくれる医療機関です。

 

「胸郭出口症候群・頸椎症・頸椎椎間板ヘルニア・むち打ち症」が疑われる場合に受診すべき医療機関です。

 

基本的には、「画像検査・投薬治療・リハビリ治療」などで回復を促してくれます。

 

一部、関節の状態が著しく悪い場合には「手術」適用となるケースもあります。特に「頸椎椎間板ヘルニア」では手術適用と診断される場合があります。

 

ただし、手術の決断は少し待った方が良いかもしれません。その理由については上記の項でも書いた通りです。

 

この件について詳しくは、もっとも信頼できる整形外科医である「加茂整形外科」さんのHPやブログをぜひご参照ください。

ペインクリニック

痛みの軽減や消失のスペシャリストである「医師」が診療を行ってくれる医療機関です。

 

「胸郭出口症候群・頸椎症・頸椎椎間板ヘルニア・むち打ち症」が疑われ、かつ「鎮痛剤が効かない」ような場合に受診すべき医療機関です。

 

基本的には、「投薬治療・ブロック注射治療」によって回復を促してくれます。

 

手術などの外科的治療は基本的に行われません。痛みで興奮した神経回路を抑えるような処置がメインとなります。

内科

内臓疾患のスペシャリストである「医師」が診療を行ってくれる医療機関です。

 

「肺炎や髄膜炎による首の痛み」が疑われる場合に受診すべき医療機関です。いざという時に相談できるかかりつけ内科医を、普段からぜひ作っておきましょう。

 

基本的に、「画像検査や血液検査によって診断を下し、投薬治療や専門病院への紹介」などで回復を促してくれます。

 

なお、髄膜炎が疑われ意識障害を起こしているようなケースでは、直ちに救急車による搬送をお願いすべきです。

整骨院

軟部組織(筋肉・じん帯・腱)のスペシャリストである「柔道整復師」が施術を行ってくれる医療機関です。

 

「寝違い・胸郭出口症候群・頸椎症・頸椎椎間板ヘルニア・むち打ち症」が疑われ、かつ「整形外科で重症でないと診断を受けた」場合に受診すべき医療機関です。

 

医師ではありませんので、画像検査や投薬治療や手術治療等はありません。基本的には「手技療法・運動療法・物理療法」などで回復を促してくれます。

 

軟部組織に関しては医師よりも詳しい先生がけっこう居られます。整形外科のリハビリでは改善が見られないような場合にはとても頼りになります。

 

以上。首の痛みで病院にかかるには何科に行けば良いかという話でした。

 

首の痛みは頭に近い分、いろいろな症状に悩まされるのが特徴です。放っておくと後々痛みがこじれて大変ですから、早めに対処するように心がけておきましょう。

まとめ

*首の痛みには、寝違い、胸郭出口症候群、頸椎症、頸椎椎間板ヘルニア、むち打ち症、肺炎や髄膜炎などがある。

*首の痛みで受診するなら、整形外科、ペインクリニック、内科、整骨院が選択肢。

*痛みがこじれると後々いろいろな症状で苦しむことになりかねない。早めの対処を心がけよう。

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