今回は、老若男女多くの世代の方が一度は経験するであろう

 

「膝の痛み」

 

について記事を書いてゆきます。

 

若い方ではスポーツによる損傷、年配の方では経年劣化による損傷がよく見受けられますが、いずれにしても非常に種類が多いのが膝痛の特徴です。

 

聞き慣れない病名なども出て来るとは思いますが、知っておいて損はありませんので、ぜひ最後までお付き合いください。

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膝の痛み

全てを書くと、とてもじゃありませんがこの記事に収まりきれませんので、特に遭遇する頻度の高い疾患を「10種類」選りすぐってお届けします。

側副靭帯損傷(そくふくじんたいそんしょう)

膝の内側と外側には、それぞれ左右への膝関節の動揺を防ぐ側副靭帯(そくふくじんたい)が備わっています。

 

この靭帯が伸びたり切れたりする事を「側副靭帯損傷」と言います。実は、私も学生の頃に経験して大変な思いをしたものです。

 

私の場合は「柔道」による損傷でしたが、他にも「ラグビー・スキー・相撲」などのスポーツや、「バイク」での転倒事故などによる損傷がよく見受けられます。

 

膝の内側から外側へ圧力がかかると「内側側副靭帯」、外側から内側へ圧力がかかると「外側側副靭帯」が損傷しやすいです。

 

側副靭帯が損傷すると、起立時の痛みや歩行時の痛みが顕著になり、特に「膝が左右へぶれるような不安定感」を強く感じるようになります。

 

ちなみに、私の場合は完全断裂でしたのでむしろ痛みは感じませんでした。ただし、その代わりにまったく歩行が出来ませんでした。

 

治療は、しばらくは「安静」にして「膝を軽く曲げた姿勢で固定」してゆく必要があります。固定の期間は損傷の程度によりますが、最低でも1か月は期間が必要でしょう。

 

固定除去後もリハビリや筋力回復などに励む必要がり、トータルでは3ヶ月~6か月程は回復までに見込んでおく必要があります。

 

また、完全断裂であれば「手術」適用になるケースが多いですので、絶対に医師の診察を仰がなければいけない疾患と言えます。

十字靭帯損傷(じゅうじじんたいそんしょう)

膝の前側と後側には、それぞれ前後への膝関節の動揺を防ぐ十字靭帯(じゅうじじんたい)が備わっています。

 

この靭帯が伸びたり切れたりする事を「十字靭帯損傷」と言います。一般に、側副靭帯損傷よりも重症例が多いのが特徴です。

 

「バスケット・サッカー・ラグビー・柔道・相撲・ジャンプ競技」などのスポーツで損傷がよく見受けられます。

 

膝の内前方へ圧力がかかると「前十字靭帯」、外後方へ圧力がかかると「後十字靭帯」が損傷しやすいです。

 

十字じん帯を損傷すると、起立時の痛みや歩行時の痛みが顕著になり、特に「膝が前後へぶれるような不安定感」を強く感じるようになります。

 

治療は、しばらくは「安静」にして「膝を軽く曲げた姿勢で固定」してゆく必要があります。固定の期間は損傷の程度によりますが、最低でも2か月程は期間が必要でしょう。

 

側副靭帯損傷以上に、固定除去後のリハビリや筋力回復などに励む必要があり、トータルで6ヶ月~1年程は回復までに見込んでおく必要があります。

 

なお十字靭帯損傷では、早期のスポーツ競技復帰の為に「手術」適用となるケースが増えており、手術成績はかなり良好です。

 

この疾患も、絶対に医師の診察を仰ぐ必要があると言えるでしょう。

半月板損傷(はんげつばんそんしょう)

膝関節の内側と外側の隙間にはそれぞれ、上下の摩擦から関節を保護する半月板(はんげつばん)という軟骨組織があります。

 

この半月板に断裂が起こる病態を「半月板損傷」と言います。

 

半月板損傷は単独で発生する事も多いですが、たいていは側副靭帯損傷や十字靭帯損傷と合併しやすいのも特徴の1つです。

 

「バスケット・柔道・サッカー・野球・陸上」などのスポーツでよく見受けられる損傷で、膝が捻られるような衝撃が加わった際によく発生します。

 

急激な外力による損傷では「内側半月板」、慢性的な外力による損傷では「外側半月板」が傷めやすい傾向にあります。

 

しゃがむ動作や立ち上がる動作、歩き始めや階段の昇り降りなどの際に、膝の内側や外側の関節の隙間周辺に痛みを感じます。

 

また損傷が酷くなると、「ロッキング」という急に膝が曲げも伸ばしも出来なくなる症状が発生することがあり、この場合「手術」による処置が必要になるケースが多いです。

 

他にも半月板損傷の特徴的なサインとして、「膝崩れ」という現象もよく見られます。歩いていたり階段を降りる際などに、突然「ガクンと膝が崩れる」現象ですね。

 

この現象が現れた場合、高確率で半月板損傷の存在を示唆していますので、急いで医師の診察を受けるようにしましょう。

 

治療に関してですが、しばらくは「安静」にして「固定」する必要があります。固定の期間は損傷の程度によりますが、最低でも2か月程は期間が必要でしょう。

 

固定除去後もリハビリや筋力回復などに励む必要があり、トータルでは5ヶ月~6か月程は回復までに見込んでおく必要があります。

 

また、スポーツや仕事などに早期に復帰したい場合には、「手術」による処置の方が回復が早い場合も多いです。多くは「内視鏡」による術式となるでしょう。

 

いずれにしても、放っておくと後々大変な事態になる事が多いですので、必ず医師の診察を仰ぐようにしましょう。

 

「膝が崩れる感じや抜ける感じは半月板損傷のサインですよ!」

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オスグッド病

子どものスポーツ障害で、かなりの方が経験する事になるのが「オスグッド病」です。有名なのでご存じの方も多いでしょう。

 

膝下の骨の「脛骨粗面(けいこつそめん)」というところが痛くなる疾患で、主に小学生高学年から中学生にかけてよく多発する疾患です。

 

膝のお皿の下の方に痛みを感じ、そこを触ると「ポコッ」と隆起した骨の突起を触れます。

 

骨の成長が盛んな時期に筋肉を酷使する事で、筋肉が骨の成長についていけずに炎症を起こすのです。

 

膝の痛みがなくなるまではジャンプ動作やダッシュ動作は控え、以下のような専用サポーターで固定して回復を待ちましょう。

 

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治るまでは個人差がありますが、早い人で2~3ヶ月、長い人では1年程かかります。

 

中途半端にスポーツ復帰すると非常に痛みが長引くので、必ず完全に落ち着いてから復帰する必要があります。子どもにしっかりと安静を守らせなければいけません。

ジャンパー膝

ジャンパー膝もオスグッド病とよく似ていますが、発症年齢は子どもから成人まで多岐に渡ります。

 

繰り返す着地の衝撃などによって、膝下の「膝蓋靭帯(しつがいじんたい)」というところが炎症を起こして発症します。

 

膝のお皿の中心、または直下の方、あるいは上の方など、「お皿の正中線上に痛みが発生する」疾患です。

 

「バレー・バスケット・陸上」などの主にジャンプ動作を繰り返すスポーツなどでよく損傷が見受けられます。

 

膝の痛みがなくなるまではジャンプ動作は控え、以下のような専用サポーターで固定して回復を待ちましょう。

 

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正しく安静に出来れば、おおよそ1か月程度で回復してゆくケースが多いでしょう。

変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)

この疾患が臨床上ではもっとも多く、主に中年から高齢者に多発する疾患です。

 

経年劣化により「膝の軟骨が摩耗」して膝の安定性が崩れ、周りの筋肉や靭帯などが傷むことで痛みが生じます。

 

主に「歩行開始時」や「階段昇降時」などに強い痛みを感じ、重症になると「安静にしていても痛みを感じる」事もあります。

 

早期から固定やリハビリなどを行えば手術を回避できる場合も多いですが、タイミングを逸すると「人工関節置換手術」を受けざる得ない状況になる事も多いです。

 

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ただし、近年は「人工関節置換手術」の成績は非常に良好であり、症例数が多い病院で手術を受ければほぼ上手く行きます。

 

しかし手術しないに越した事はないので、出来るだけ早期から、リハビリなどやれる事はやっておきたいものです。

 

当院でもこの疾患の患者さんが多いですが、ほとんどの方が、施術と固定と薬と注射をミックスしながら何とか手術を回避されています。

 

完全に治る事はありませんので、どうやって痛みと上手く付き合って行くかという視点を持つ事が非常に大事な疾患です。

膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)

膝蓋骨脱臼とは、いわゆる膝の「お皿の骨が脱臼する(外れる)」現象です。普段から「X脚気味」の女性に発症が見られる傾向にあります。

 

多くは膝を正面から見た時に「外側」の方へ脱臼し、半分外れる「亜脱臼(あだっきゅう)」と完全に外れる「完全脱臼」とがあります。

 

例えばバスケットでの「ピボットターン」のように、足が固定された状態で膝を捻ったりするような姿勢を取った時などによく発症しやすいです。

 

かなりの激痛の為に、中には救急車を呼ぶ方なども居られますが、たいていは待っている間に膝を屈伸した際などに自然に入っている事が多いです。

 

入らない場合は、整形外科にて整復(元の位置に戻す)してもらう必要があります。整復されてもしばらくは腫れなどが出てくるため、2~3週間は固定する必要があるでしょう。

 

痛みや腫れが完全に引いてきたら筋力訓練を徐々に始めてゆき、膝周りを鍛えてお皿の骨が外れにくい関節に仕上げてゆきましょう。

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鵞足炎(がそくえん)

陸上競技を行っている方などに多発する疾患で、比較的女性に多い疾患です。「膝の内側関節部分よりも少し下の骨沿いに痛み」が起こります。

 

発症すると屈伸痛や運動痛が顕著となり、膝の疾患の中ではかなり痛みが強い部類に入るので、安静にしていても疼くような痛みを感じる事さえあります。

 

酷い場合には、痛みがこじれないうちに鎮痛消炎剤等で炎症を抑える必要もあります。

 

基本的に手術などは必要なく、「安静」にしていれば徐々に改善してゆきます。約1か月程度で落ち着いてゆく場合が多いでしょう。

 

屈伸痛や運動痛が出なくなるまでは原則運動は禁止です。やむを得ず行ってしまった場合には、直ちに患部を冷却(アイシング)しておきましょう。

 

「X脚」の方によく見られる疾患なので、X脚の修正も検討した方が良いですね。

腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)

鵞足炎と似たような疾患です。陸上競技を行っている方などに多発する疾患で、比較的男性に多い疾患です。

 

「膝の外側で関節部分よりも少し上の硬いスジのあたりに痛み」が起こります。

 

発症すると屈伸痛や運動痛が顕著となりますが、安静にしていても疼くような痛みを感じる事はあまりありません。

 

基本的に手術などは必要なく、「安静」にしていれば徐々に改善してゆきます。約1~2か月程度で落ち着いてゆく場合が多いでしょう。

 

屈伸痛や運動痛が出なくなるまでは原則運動は禁止です。やむを得ず行ってしまった場合には、直ちに患部を冷却(アイシング)しておいてください。

 

「O脚」の方によく見られる疾患なので、O脚の修正も検討してゆきましょう。

タナ障害

膝関節の内側には「滑膜(かつまく)」という組織があり、その滑膜の先の方には多数の「ヒダ」がついています。

 

そのヒダが、肥厚したり千切れたりして関節の隙間に挟まる現象の事を「タナ障害」と呼んでいます。

 

膝の屈伸時などに「お皿の骨の奥の方がひっかかる」ような感覚が現れて、同時に痛みを伴う事も多いです。

 

しばらくは「安静」にして、ジャンプやダッシュやひねる動作などの無理な運動は控えましょう。また、痛みが強い時には冷却(アイシング)も行いましょう。

 

しばらく様子を見てそれでも改善が見られないようなら、必要に応じて原因となっているヒダを「切除手術」した方が良い場合もあります。

 

案外多い疾患なのですがけっこう見逃されがちです。該当する症状がある時は早めに医師の診察を仰ぐようにしましょう。

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何科にかかれば良いか

非常に長かったので読むのにお疲れになったでしょう。しかし膝は非常に大事な関節ですから、こういった疾患の存在をしっかりと頭に入れておきましょうね。

 

それでは、これら膝の痛みの際には何科にかかったら良いのでしょうか。真っ先に受診を検討すべき医療機関としては、以下の2つに絞られます。

 

「整形外科」

 

「整骨院」

 

次項でさらに詳しく紹介してゆきましょう。

整形外科

骨や軟骨などの関節スペシャリストである「医師」が診療を行ってくれる医療機関です。

 

全ての疾患で必ず一度は受診するようにしてください。

 

膝は高齢になった時にもっとも泣かされやすい関節です。しっかりと診断をつける習慣が大切になるのです。

 

整形外科は、基本的に「画像検査・投薬治療・リハビリ治療」などで回復を促してくれます。ただ、関節の損傷が酷い場合に限っては「手術適用」となるケースもあります。

 

特に、現役のスポーツ選手や仕事上早期に回復したい方などは手術適用となるケースも多いです。できるだけ症例数が多く、手術にも対応できる整形外科を選択しましょう。

整骨院

筋肉、靭帯、腱などの軟部組織スペシャリストである「柔道整復師」が施術を行ってくれる医療機関です。

 

膝の痛みにおいては、「整形外科で重症ではないと診断を受けた」場合に受診すべき医療機関と言えます。必ず医師の診察をつけてからかかるようにしましょう。

 

医師ではないので、画像検査や投薬治療や手術治療等は行えませんが、丁寧な「手技療法・運動療法・物理(電気)療法」などで回復を促してくれます。

 

軟部組織に関しては医師よりも詳しく勉強している先生も多いですから、整形外科的な治療が必要でない場合は受診してみましょう。

 

以上。膝の痛みに関する話でした。

 

まだまだ全部の疾患を書ききれていませんが、今回の疾患を知っておくだけでも、かなりの膝の痛みに対応が出来るでしょう。

 

老後も健康な足腰で過ごせるように、膝の痛みが出た時には早めにしっかりとケアする習慣をつけておきましょうね。

まとめ

*膝の痛みには、側副靭帯損傷、十字靭帯損傷、半月板損傷、オスグッド病、ジャンパー膝、変形性膝関節症、膝蓋骨脱臼、鵞足炎、腸脛靭帯炎、タナ障害等がある。

*膝の痛みで受診するならまずは整形外科。重症でない場合は整骨院も選択肢。

*膝は高齢になってよく泣かされる関節。若いうちからケアする習慣をつけておこう。

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