下肢の痛みについて記事をお届けしているところですが、引き続き今回は

 

「足の痛み」

 

について記事を書いてゆきたいと思います。

 

足の痛みは大きな関節の痛みに隠れがちですが、実はけっこう症例が多く、日常生活に大きな影響を及ぼす部位でもあります。

 

ずっと体重を一手に受け止めている関節であるために、いったん傷めると治癒までに日数を要するのも特徴ですね。

 

今回は、そんな「足の痛み」についてお届けします。

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足の痛み

足の痛みに関しても種類は多く、代表的な痛みだけでも7種類ほどは挙げる事ができます。

脛骨疲労性骨膜炎(シンスプリント)

脛骨疲労性骨膜炎(シンスプリント)とは、「スネの骨(いわゆる弁慶の泣きどころ)の中央から下部にかけてが痛くなる」疾患です。

 

主にランニングやジャンプ動作の際に痛みが強くなり、重症化すると「疲労骨折」の状態に移行する事もあります。

 

発症の原因は、過度な走行訓練やジャンプ動作等により、脚の筋肉が付着している脛骨という骨の骨膜が引っ張られて炎症を起こす事にあります。

 

スポーツ障害において下肢の痛みを訴えるケースでは、かなりお目にかかる頻度の高い疾患です。

 

レントゲン検査やMRI検査等にて診断が確定されたら、当面は運動を禁止(特にダッシュ・長距離走・ジャンプ)して、2~3ヶ月は養生に努める必要があります。

 

ただし、運動禁止に関しては賛否両論があり、「アイシングを徹底できるなら運動は継続した方が良い」という意見もあります。

 

私の臨床経験では、「どうしても部活を休めない」というお子さんなどに対しては、「運動後のアイシングを徹底する事を条件」に運動を許可するケースもあります。

 

ちゃんと指示を守れる子どもさんでは、それでもちゃんと治ってゆくものです。

 

ただし、同じ場所の2回目のシンスプリントに関しては原則として運動の許可は出せません。かなり長引く可能性があるからです。

 

なお、シンスプリントの間接的な原因として「X脚や扁平足(へんぺいそく)」の存在も無視できませんので、それらのチェックも怠らないようにしておきましょう。

足関節捻挫(そっかんせつねんざ)

この疾患が臨床上ではもっとも多いと思います。足を着地した際などに、足首がねじれて靭帯の損傷を起こす事が原因です。

 

足の裏が内側を向くような捻り方では「足首外側の靭帯損傷」、外側を向くような捻り方では「足首内側の靭帯損傷」を起こしやすいです。

 

発症すると「強い足の痛みや腫れの為に歩行や運動に大きな支障をきたす」疾患で、靭帯の損傷程度によっても対応は変わりますが、原則「固定」が必要となります。

 

特に、足首内側の靭帯損傷では重症化を示すケースが多く、場合によっては「骨折」を伴うケースもありますので、必ず医師に診てもらう必要があります。

 

固定をちゃんとしておかないと中途半端に治癒してしまい、いわゆる「捻挫グセ」がついてしまいますので、固定の期間はちゃんと守りましょうね。

 

おおよそ4~6週間は固定期間が継続する場合が多いですが、その間は再度の捻挫に気を付けて、出来る限り安静にして回復を促しましょう。

 

痛みの引き加減に応じて少しずつ運動の許可が許されますが、特に学生では無理をして再受傷するケースも多いものです。しっかりと医師の指示を守ってください。

踵骨骨端炎(しょうこつこったんえん)

これは主に中年期以降に多発する疾患です。歩行する際に「踵(かかと)の骨の辺りが痛む」疾患で、多くは原因もなく自然に発生します。

 

レントゲンで患部を診ると、多くは踵の骨のあたりにカルシウム分が沈着して硬まっている所見が認められます。

 

この疾患は、治る時も自然と治ってゆくケースがほとんどで、たいていの場合これといった処置を施さなくても自然と軽快してゆきます。

 

ただし、治癒までに3~6ヶ月はかかる場合が多いので、痛みが強い方は、中敷き(なかじき)などを足底に敷いて衝撃から患部を守ってあげる事も検討しましょう。

 

あまりにも痛みが酷いようならば患部へ鎮痛剤の注射を打ってもらうと有効ですが、正直この注射は「痛い」です。私なら出来るだけ受けたくはないですね。

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足底腱膜炎(そくていけんまくえん)

足底腱膜炎はスポーツ選手やランニングが日課の方などに多い疾患で、「土踏まずを中心に踵や親指の根元あたりまでが痛くなる」疾患です。

 

患部の酷使によって、踵と親指をつなぐ腱に炎症が起きる事で発症します。

 

固定などは特別行わなくても良いですが、しっかりと安静を守る事が必要で、痛みが引くまでは当然運動も控えなければなりません。

 

この疾患は、「扁平足(土踏まずのアーチがほとんど無い)」や「ハイアーチ(土踏まずのアーチが異様に高い)」など、足の形状に問題がある方が発症しやすいです。

 

安静にして痛みの回復を待つ間に、それらの問題点についても改善する努力が必要でしょう。治癒までの目安は、おおよそ1~2か月ぐらいを見ておくと良いです。

 

また足の形状に問題がない方でも、足部全体の筋力低下や柔軟性低下が存在している場合が多いので、それらについても改善してゆく必要があるでしょう。

疲労骨折

着地の衝撃などが繰り返される事で、「足の甲骨にヒビが入って痛くなる」疾患です。「陸上競技・バレーボール・バスケットボール」などを行う方によく見られます。

 

もっとも折れやすいのは「中指や薬指沿いの骨」で、歩行時や体重をかけた際などに、足の甲の中央辺りがとても痛くなります。

 

骨折ですから当然安静にする事が必要で、しばらくは松葉づえなどを利用しながら体重がかからないようにしなければなりません。

 

いい加減に治すと骨が変形して治癒してしまう事もありますので、レントゲン検査で正しく治癒が確認されるまでは、医師の指示を守って養生に努めましょう。

 

順調に行けば、2~3ヶ月で回復が確認される場合がほとんどです。

有痛性外脛骨(ゆうつうせいがいけいこつ)

足の甲側で、足首と親指の間の中央辺りにポコッと出た骨が確認できると思います。

 

この骨を「舟状骨(しゅうじょうこつ)」と言いますが、日本人の約4人に1人が、この骨の内側に「外脛骨(がいけいこつ)」という余分な骨を持っています。

 

歩き方の不具合や無理な運動等によって、その「外脛骨が炎症を起こして痛くなる」病態を「有痛性外脛骨」と言います。

 

かなり珍しい疾患ですが、医療者なら絶対に知っておくべき疾患です。

 

4~6週間ほど安静にしていれば次第に落ち着きますが、再発を予防する為には、「歩き方の改善・靴の確認・運動量の調整」など、専門家の指導を仰ぐ必要があります。

 

なおそれらの対応をとってもなかなか治りきれない場合は、今後のスポーツ活動などの具合によっては、「手術」に踏み切らざるを得ない場合もあります。

モートン病

この疾患も臨床では比較的よく見られます。

 

「足の裏のしびれや痛みを引き起こす」疾患で、おもに「中指と薬指の付け根あたり」に痛みが多発します。ちょうど指と指の間が痛くなるような感覚です。

 

ほとんどは「履き物が合っていない」事が原因で、締め付けにより神経や血管の働きが障害される事で発症します。

 

固定などは必要ありませんが履き物を見直す必要はあります。特にハイヒールや革靴を普段から履く方は、出来るだけゆったりとした履き物に替えましょう。

 

また屋内でスリッパを履く習慣がある方にも多発しやすいので、屋内では出来るだけ裸足で過ごすようにして頂きたいと思います。

 

あまりにも痛みが酷い方は「注射」で鎮痛剤を打つ方法もありますが、たいてい履き物を替えれば自然と治りますので、あまり無理には打たなくても良いでしょう。

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何科を受診したら良いか

少々長くなりましたが、けっこういろんな種類がある事に驚かれたのではないでしょうか。

 

では、こういった足の痛みがある場合には何科に受診したら良いのでしょうか。選択すべき医療機関としては以下の2つです。

 

「整形外科」

 

「整骨院」

 

次項で詳しく見て行きましょう。

整形外科

骨や軟骨等の関節スペシャリストである「医師」が診療を行ってくれる医療機関です。

 

どの疾患においても必ず一度は受診するようにしてください。

 

足はちゃんと治療しておかないと、あとあと不具合に悩まされやすい場所ですから、しっかりと診断をつけて治療に望むようにしましょう。

 

整形外科は、基本的に「画像検査・投薬治療・リハビリ治療」などで回復を促してくれます。

 

ただし、関節の損傷が酷い場合で、今後もスポーツを継続する必要がある方などでは「手術適用」となるケースもあります。

整骨院

筋肉、靭帯、腱等の軟部組織スペシャリストである「柔道整復師」が施術を行ってくれる医療機関です。

 

足の痛みでは、「整形外科で重症ではないと診断を受けた」場合に受診すべきですが、「足関節捻挫」などは柔道整復師の専門分野である事も知っておいてください。

 

医師ではないので、画像検査や投薬治療や手術治療等は行えませんが、丁寧な「手技療法・運動療法・物理(電気)療法」などで回復を促してくれます。

 

軟部組織に関しては医師よりも詳しい先生も多いです。整形外科的な治療が必要でない場合などは、非常に心強い存在でもあります。

 

以上。足の痛みに関する話でした。

 

臨床の現場にいると、「まあそのうち治るかな」という感覚で、初期のうちからちゃんと治療を受けていない方が多いのには驚かされます。

 

足は一生体重を受け止めてくれる関節ですから、あとあと不具合に悩まされない為にも、初期のうちから素早く対応しておく事が肝要です。

まとめ

*足の痛みには、シンスプリント、足関節捻挫、踵骨骨端炎、足底腱膜炎、疲労骨折、有痛性外脛骨などがある。

*足の痛みで受診するならばまずは整形外科。重症でない場合や足関節捻挫では整骨院も選択肢。

*足は一生物の関節。ちょっとでも違和感を感じたら素早く対応する癖をつけよう。

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