日々診療に従事していると気付くのですが、
特に女性の方で

 

「腕や足や顔などにアザ」

 

があるのを見かける事がよくありますね。

 

それらはたいてい一過性のもので「心配のないアザ」なのですが、まれに「病的なアザ」であるケースも有り、あまり軽んじ過ぎてもいけません。

 

そこで今回は、「腕や足や顔などにアザができる原因」と、その場合に「考えられる病気」や「治療法」等について見て行きましょう。

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あざの種類

一口にアザと言っても様々な種類が存在します。ざっと以下に挙げてみましょう。

青アザ

<蒙古斑(もうこはん)>

主に黄色人種の赤ちゃんに見られ、お尻から背中にかけて青いアザが認められます。

 

<太田母斑(おおたぼはん)>

思春期ぐらいから目立ち始めるアザで、顔の片側あるいは両側に青いアザが認められます。

 

<伊藤母斑(いとうぼはん)>

太田母斑と同じような症状で、アザが出来る部位は肩から肩甲骨周辺にかけてです。

 

<青色母斑(あおいろぼはん)>

乳幼児期などに発生が見られ、軽く盛り上がった直径1センチ程度の青黒いアザが認められます。

赤アザ

<海綿状血管腫(かいめんじょうけっかんしゅ)>

皮膚の深いところに発生する腫瘤状のアザで、赤紫色のアザが認められます。

 

<イチゴ状血管腫>

生後3か月以内に発生し、1年ぐらいかけて急速に発達するイチゴの様に盛り上がったアザです。小学校入学前ぐらいまでに自然消失するケースが多いです。

 

<血管芽細胞腫(けっかんがさいぼうしゅ)>

乳児期などに見られる腫れを伴う硬いしこり状のアザで、押すと痛い暗赤色のアザが認められます。

 

<血管拡張性肉芽腫(けっかんかくちょうせいにくがしゅ)>

顔によく見られる直径1~3㎝ほどの腫瘍状のアザで、出血を起こしやすい赤色のアザが認められます。

 

<クモ状血管腫>

主に顔に見られるアザで、中心の赤い結節から放射状に赤いスジが伸びるようなアザが認められます。

 

<グロムス腫瘍>

主に爪の下にできる腫瘍で、痛みを伴う薄い赤色のアザが認められます。

茶アザ

<カフェオレ斑>

約1~2割の人に見られるありふれたアザで、コーヒー牛乳のような色をした境界の明瞭なアザが認められます。

 

<扁平母斑(へんぺいぼはん)>

薄い褐色のアザの中に、濃い点状の斑点のようなものが認められます。

 

<ベッカー母斑>

思春期頃から見られ始め、表面がザラザラして境界はギザギザしたアザです。アザに発毛が見られるケースが多いです。背中や胸や手足などによく認められます。

黒アザ

<色素性母斑通常型(しきそせいぼはんつうじょうがた)>

いわゆる「黒子(ほくろ)」の一種で、中には毛が生えているアザも認められます。

 

<色素性母斑巨大型(しきそせいぼはんきょだいがた)>

通常型よりも大きなサイズの黒アザが認められます。

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病的なあざ

<青アザ>

青アザは基本的に病的なものはありませんが、「青色母斑」の大きなサイズのものに関しては、まれに悪性化する事があると言われています。

 

また、打撲痕のような青アザがしょっちゅうできる場合には、「特発性血小板減少性紫斑病」や「白血病」等のサインである場合もあります。

 

頻繁に打撲痕が発生する方、また同時に鼻や傷口等から出血が起きやすい方などは、一度医師に相談される事をおすすめします。

 

<赤アザ>

「イチゴ状血管腫」が顔面(目・鼻・口・耳)に発生した場合、まれに潰瘍化して機能障害を起こす原因となります。

 

「血管芽細胞腫」が急激に大きくなり内出血が起きるようになったものを、「カサバッハ・メリット症候群」と言います。硬く腫れて組織の内圧が高まります。

 

カサバッハ・メリット症候群は全身性に見られる事も多く、出血多量により生命に関する事態となる事があるので要注意です。

 

<茶アザ>

茶アザは基本的に病的なものはありませんが、「1.5㎝以上あるカフェオレ斑が6個以上存在する」場合、「神経線維腫症」という遺伝疾患の可能性があります。

 

<黒アザ>

「色素性母斑巨大型(大きい黒子)」では、まれに「悪性腫瘍化」するケースがあります。特に、「足の裏」にできる黒子で境界が不明瞭なものには注意が必要です。

 

悪性化の原因の1つとして、「黒子を無理に破いたり生えている毛を頻繁に抜いたり」する等の刺激は、あまり行わない方が良いと言われています。

 

また、手術で綺麗に切除するのは構わないのですが、レーザー等で中途半端に焼くような処置は、あまりおすすめできないという意見もあります。

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あざの治療法

<青アザ>

「蒙古斑」は自然に治りますが、「他の青アザは自然には治りません」。

 

それらの青アザには、「Qスイッチ・レーザー」が有効だと言われています。特に「太田母斑にはQスイッチ・レーザーが有効」です。

 

太田母斑はかなりの部分が治りますが、その他の青あざでは一部の改善にとどまるケースが多いです。

 

<赤アザ>

「イチゴ状血管腫」は自然消失するケースが多いですが、「他の赤アザは自然には治りません」。

 

それらの赤アザには、「フラッシュランプ・パルス色素レーザーやVビームレーザー」が有効だと言われています。

 

ただし、「レーザー治療が無効なタイプやカサバッハ・メリット症候群」では「手術の適用」となるケースが多いです。

 

<茶アザ>

茶アザは、治療効果の個人差が大きいと言われています。

 

一般的には「Qスイッチ・レーザー治療」などが用いられますが、時に「皮膚凍結治療(液体窒素)」「削皮術(皮膚を削る)」なども検討されます。

 

成人してからよりも、若い年齢の方がレーザー治療等への反応が良い様です。

 

<黒アザ>

黒アザは、基本的に「手術」が適用される場合が多いです。

 

手術後の皮膚の欠損などが問題となるので、皮膚の下にシリコンバッグを入れる「皮膚伸展術」や、お尻の皮膚などを移植する「植皮術」などが併用されます。

 

Qスイッチ・レーザー治療等も行われますが、上でも書いたように中途半端な刺激は「悪性化」のリスクもあります。

 

よって黒アザに関しては、「手術推奨派の医師が多い」のが実状です。

何科を受診する

アザの診察は基本的に「皮膚科」です。

 

また、美容的な観点からのアザが気になる場合には、「美容外科」や「形成外科」も受診候補です。

 

また、小児の場合は「小児外科」が候補となりますが、あまり診療科数が多くありませんので、まずはかかりつけの小児科医等に相談しましょう。

 

なお、上記に挙げたアザの画像等を見たい方は、「日本皮膚科学会」のサイトが参考になります。

 

リアルな画像もある為に、画像を見る際にはご気分に気を付けてご覧いただくようおすすめします。

 

以上。アザに関する話でした。

 

一口にアザと言っても、いろいろな種類がある事がお分かり頂けたかと思います。

 

皮膚の治療も年々進化していますので、気になるアザがある場合には、ぜひ一度医師に相談してみましょうね。

まとめ

*アザには、青アザ、赤アザ、茶アザ、黒アザなどがある。

*たいていのアザは病的なものではないが、一部に気を付けるべきアザが存在する。

*アザにはレーザー治療が基本だが、一部に手術が必要な症例も存在する。

*皮膚科、形成外科、小児外科、美容外科などが受診の選択肢となる。

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