あと1~2ヶ月もすれば「夏」がやってきます。

 

今の子どもたちは、あまり山遊びや川遊びをする子は多くないかもしれませんが、私が子どもの頃は毎日「山」や「川」で遊んだものでした。

 

そして、そういった所で遊んでいると必ず遭遇するのが

 

「蛇(ヘビ)」

 

なんですよね。今思えばよく噛まれなかったなと思うぐらい、しょっちゅう出くわしていましたからね。

 

私の場合は近所のガキ大将がその方面に強い人だったので、怖がる僕らを尻目に「ヘビを振り回して遊んでいた」光景が昨日の事の様に思い出されます。

 

さて、数年前当院の患者さんで「マムシに噛まれた」方がおられまして、幸い命には別状無かったのですが、しばらく後遺症で苦しんでおられた事がありました。

 

その際に、私も「毒蛇」についていろいろと勉強をしたのですが、実は日本では毎年かなりの方が「蛇に噛まれている」ようです。

 

そして残念ながら、そのうち「10人~20人程度の方が亡くなっている」という現実があるのだそうです。

 

そこで今回は、夏によくありがちな「蛇との遭遇」において、「万が一噛まれた場合にはどう対処するのか」という事について、勉強してゆきましょう。

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日本における3大毒ヘビ

日本において注意を要する毒ヘビは「3種類」です。すなわち

 

「マムシ・ハブ・ヤマカガシ」

 

です。そしてこれら3種類のヘビのうち、生息地や攻撃性などから考慮すると、もっとも「噛まれる事故に巻き込まれやすい」のは

 

「マムシ」

 

でしょう。私の患者さんの場合も、やはり噛まれたのは「マムシ」でしたからね。

マムシ

マムシは「クサリヘビ科」の毒ヘビです。

 

南西諸島を除く日本の各地域で生息が確認されており、「湿地・山地・河辺・森林・岩陰」などあらゆる場所に生息しています。

 

体長40~80㎝ほどの胴長小型の蛇ですが、毒性がとても強く、毎年約3000人ほどが咬傷事故に遭い、残念ながらそのうち10名ほどが亡くなられています。

 

マムシの画像(心臓が弱い方はご注意ください)

ハブ

ハブはマムシと同じ「クサリヘビ科」の毒ヘビです。

 

主に沖縄と奄美諸島に分布しており、「平地・山地・森林・民家周辺」など幅広い環境に生息しています。

 

体長は最大で2mを越える個体もあり、体格が大型の為に、咬まれると大量の毒液が注入されて非常に危険です。

 

ハブの画像(心臓が弱い方はご注意ください)

ヤマカガシ

ヤマカガシは体長60~120㎝程度の「ユウダ科」の毒ヘビで、古来より日本のヘビの代表格です。

 

本来は山に生息している個体が多かった為に「ヤマ」という冠が付いているのですが、実際には「山地・平地・水田・河川」など、広く一般的に分布しています。

 

アオダイショウのように一般的なヘビのように思われがちですが、実は非常に毒性が強いのです。

 

しかも、マムシやハブのように特徴的な個体ではありませんので、一番扱いが難しい個体だとも言えます。

 

唯一の救いは、「攻撃性が弱く自分から向かってくる事はほとんどない」という点でしょう。

 

ヤマカガシの画像(心臓が弱い方はご注意ください)

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一番毒が強いヘビはヤマカガシ

皆さんの第1印象でこれら3大ヘビの毒性をランク付けすると、おそらく

 

「ハブ>マムシ>ヤマカガシ」

 

という認識を持たれる方が多いのではないかと思います。がしかし、実は正確に毒性をランク付けすると

 

「ヤマカガシ>マムシ>ハブ」

 

という順番になるのです。

 

と言っても、さきほども書いたように「ヤマカガシはあまり攻撃性が高くない」ので、日本におけるヘビの咬傷事故でもっとも危険なのは、「マムシ」という事になります。

 

ハブも大変に危険なのですが、現実には「マムシに最も注意すべき」なんですね。

毒ヘビに噛まれた場合の症状

ヤマカガシに噛まれた

ヤマカガシの毒は「出血毒」という種類の毒性なのですが、その中でも「溶血毒(ようけつどく)」といって

 

「出血が止まらなくなる」

 

毒の性質を持っています。細胞自体が破壊される事はないので痛みはあまり無く、症状が出るまで数時間~1日ぐらいかかるのが厄介な点です。

 

その後、徐々に全身性の皮下出血や内臓出血が進行して行き、最悪の場合「腎不全や脳出血」を起こして死に至ります。

マムシに噛まれた

マムシの毒は「出血毒」という種類の毒で、

 

「タンパク質を溶かして血管を破壊する」

 

という毒の性質を持っています。細胞が破壊されるために強い痛みが生じ、数時間で腫れや痛みや皮下出血等がピークを迎えます。

 

「症状の派手さ」

 

が、マムシに噛まれた際の最大の特徴とも言われています。最悪の場合は「内臓不全」等を起こして死に至ります。

 

日本における「毒ヘビの咬傷事故ではマムシが最も多い」ので要注意です。

ハブに噛まれた

ハブの毒は「出血毒」という種類の毒で、

 

「タンパク質を溶かして血管を破壊する」

 

点はマムシと同じですが、体格が大きい分「注入される毒素も多い」為に、症状自体はマムシよりも強く出ます。ただし、皮下出血斑はあまり見られないのが一般的です。

 

また危険である事に変わりはありませんが、マムシに比べたら致死率は低いようです。

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毒ヘビに噛まれた際の対処法

毒ヘビに噛まれた際は、まず何よりも「落ち着く事が大切」です。

 

万が一噛まれたとしても「死亡するケースは1%未満」ですから、決して慌ててパニックに陥らない事です。その上で以下のような処置を行いましょう。

 

直ちに救急車の要請または救急外来へ走る。

 

移動する際は慌てずゆっくりと。(毒素の回りを遅らせる為)

 

噛まれた場所より「心臓側」の方をひもなどで縛る。(強く縛ると組織のダメージが強くなるので、軽く血管が浮き出る程度で良い)

 

縛った後は縛りっぱなしにせず、10~20分毎に緩める。

 

患部を冷やしてはいけない。(組織破壊が進行する為)

 

下手に吸い付いて毒を吸い出す必要はない。

 

できるだけ噛んだヘビの特徴を覚えておく。

 

とにかく慌てずに、これらの処置を出来る限り実行してください。そして、後は医師に処置を任せる事です。

 

再三申し上げますが、「危険ではあっても決して致死率自体が高いわけではありません」ので、とにかくパニックにならず落ち着いて行動する事が重要です。

 

以上。毒ヘビに噛まれた際の対処法でした。

 

夏休み等に入ると川や山に行く機会も増えて来ると思いますが、万が一「ヘビに噛まれた」際のことも考えて、ぜひ今回の記事を頭に入れておいてください。

 

そして、緊急時に素早く連絡が取れるように、携帯電話の携帯を怠らないようにしておくことも大切ですね。

まとめ

*日本においては、マムシ、ハブ、ヤマカガシの3種類に注意が必要。

*毒性の強さにおいては、ヤマカガシ>マムシ>ハブの順で強い。

*3種類いずれのヘビも出血毒の性質を持ち、細胞の破壊や腎臓障害などを引き起こしやすい。

*危険ではあるが致死率自体は高くない。決して慌てずに、しかし素早く医師の診察を仰ぐ事。

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