膝の痛みで来院される方は非常に多いですが、その中でも
非常に訴えが多いのが

 

「膝がガクッと崩れたり抜けたりする」

 

感じがあるという症状です。歩いている時や階段を降りる際などによく起こりがちなこの症状ですが、実はそれ

 

「半月板損傷」

 

のサインである事が多いのですよ。比較的多い疾患なので、名前ぐらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。

 

今回は、その「半月板損傷」について話してみたいと思います。

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半月板

半月板とは「軟骨の一種」で、膝の大腿骨(太もも)と脛骨(下腿)との間で体重を支えている組織です。

 

半月板は、膝を曲げた時や伸ばした時に前方後方へスライドして上手く骨の間に滑り込むことで、体重を分散させて負荷を軽減する働きを担っています。

 

CM等でよく、「軟骨が擦り減っている」というキャッチフレーズを聞く事があるかと思いますが、それは半月板の事ではなく関節面全体を覆う「関節軟骨」の事です。

 

半月板はその関節軟骨とはまた別物で、パッキンの様に膝の内側と外側にそれぞれ配置されている組織です。

 

軟骨成分の中で、「もっとも前線で働いてくれている」組織、という解釈で間違いはなかろうと思います。とても重要な組織なんですね。

半月板損傷はどのようにして起こるか

半月板の受傷機転としては、膝を曲げた状態でそこに捻りが加わった際に、「内側または外側の半月板」が損傷する事になります。

 

また半月板は、単独損傷よりも靭帯断裂などに伴って一緒に損傷される場合も多く、事実私が過去に半月板損傷をやった際も、靭帯損傷に伴うものでした。

 

半月板損傷の多くは、半月板の後方部分が損傷される場合が多いです。

 

その原因としては、膝を曲げた際には半月板が後方に移動して大腿骨と脛骨の間にありますので、その状態で損傷すると、負荷がより中央から後方にかかる為です。

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半月板損傷の症状

半月板損傷の際に見られる症状としては

 

「キャッチング」

 

と呼ばれる、膝の屈伸時の違和感や痛み、あるいは

 

「ギビングウェイ」

 

と呼ばれる、膝が崩れたり抜けたりするような症状があります。今回の記事テーマでもありますが、この症状がもっとも臨床上多いですね。

 

さらに特徴的な症状として、断裂した半月板が関節の中にひっかかってしまう

 

「ロッキング」

 

という症状があります。このロッキングが起こると、膝がまったく動かせなくなってしまうのです。かなり重症のサインと言えます。

 

半月板損傷の症状は、当初は膝の違和感から始まる事が多いのですが、キャッチングやギビングウェイ、あるいはロッキングなどの症状が出始めると、本格的な損傷に移行したサインです。

 

特にロッキングに関しては、一時的にとれる事も多いのですが、たいていはまた繰り返しますので、関節鏡手術で破片を取り除く事が望ましいと思います。

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半月板損傷の治療

まず「手術」による治療ですが、通常は関節鏡による手術が主流です。そして半月板の手術には、大きく分けて2つの手法があります。

 

1つは「部分切除」です。血流が無い部分が損傷された場合は、部分的に半月板を切除するケースが多いです。

 

もう1つは「縫合術」です。血流が有る部分が損傷された場合は、できるだけ半月板を温存する為に、縫合処置での回復を目指すケースが多いです。

 

このあたりの判断は、損傷の程度を勘案しながら個々に決められてゆくので、できるだけ経験豊富な専門医にかかるようにしたいです。

 

「手術をしない治療」では、基本的に「固定治療」となります。

 

固定期間は重症度にもよりますが、おおよそ「2か月程度」は必要でしょう。またリハビリなども含めれば、全体で「半年程度」は回復に必要でしょう。

 

とにかく半月板損傷は、かならず医師の診察を仰ぐ必要がありますので、詳しくは以下の記事を参考にどうぞ。

 

「膝の痛みは何科にかかれば良い?2つの選択肢から選ぼう!!」

 

以上。今回は半月板損傷について話しました。

 

膝が崩れたり抜けたりするような「ギビングウェイ」症状が現れた時は、半月板損傷が黄色信号から赤信号へ変わりかけているサインです。

 

この症状が現れた時は、たとえ痛みがあまり強くなくても、必ず1度医師の診察を仰ぐようにしておいてくださいね。

まとめ

*半月板は、大腿骨と脛骨の間で体重を分散してくれる重要な軟骨組織。

*半月板損傷は、膝が曲がった状態で捻りが加わった時に受傷しやすい。

*キャッチングやギビングウェイやロッキングの症状に注意しておくこと。

*ロッキングがある際は、内視鏡による切除手術が望ましい。

*ロッキング以外の症状では、当面の固定とリハビリで様子を見てみる。

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