うちは次男が「硬式野球」を習っているのですが、
あなたの身近にも野球を習われている方がおられませんか。

 

実は、野球をプレイする方が避けて通れない疾患というものがあります。それは

 

「野球肘」

 

という疾患です。別名「上腕骨内側上顆炎(じょうわんこつないそくじょうかえん)」とも言います。

 

うちの子どもも以前発症したのですが、非常によく見受けられる疾患なんです。

 

具体的には「肘の内側が痛くなる」疾患で、野球選手以外にも、力作業を行う労働の方や家事に勤しむ主婦など、腕や手をよく酷使する方に発症が見られます。

 

今回は、そんな「野球肘」について迫ってみたいと思います。

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野球肘

肘が痛くなる疾患はいくつか存在するのですが、大きく分けると2ヵ所の痛みに分類できます。すなわち肘の「外側」の痛みと「内側」の痛みです。

 

この2ヵ所のうち、肘の「内側」部分のコリコリした関節のあたりを

 

「上腕骨内側上顆(じょうわんこつないそくじょうか)」

 

と呼びます。そして、その上腕骨内側上顆に付着する筋肉等が炎症を起こして強い痛みを発する疾患を

 

「野球肘=上腕骨内側上顆炎」

 

と呼ぶのです。

野球肘の原因

野球経験のある方は分かると思うのですが、投球や送球動作の際には

 

「肘の内側に過度の負荷がかかる」

 

ものです。特に「小指側から肘にかけての内側ライン」ですね。あまり普段は意識しないかもしれませんが、ゆっくりと動かしてみるとよく分かりますよ。

 

この内側ラインの筋肉が炎症を起こす事で野球肘が発症する事になるのです。

 

ただ、ここで1つ疑問が起こります。

 

野球などのスポーツをしていない方でも野球肘を発症する事があるという現実です。いったいそれはなぜでしょうか。

 

実はその原因は「手首」にあるのです。

手首の使い過ぎで野球肘が起こる

手首から肘にかけては、手首の関節を手の平側にクイッと曲げる

 

「前腕屈筋群(ぜんわんくっきんぐん)」

 

という筋肉が走っています。例えば「橈側手根屈筋・尺側手根屈筋・長掌筋・円回内筋」などですね。

 

これらの筋肉は、手を「グー」に閉じたり手首を「クイッ」と曲げる動きをする時に働く筋肉ですが、特に手首を「クイッ」と手の平側に曲げる動作に、野球肘発症の原因が隠れています。

 

「手首をクイッと曲げるような動きなんてそんなにしないよ」と思われる方も多いと思うのですが、意外にそういう動作は日常に溢れているのですよ。

 

例えば「包丁を使う・キーボードを打つ・洗濯物を干す・雑巾やふきんを絞る・子どもを抱っこする・フライパンを振る」などの動きでは、たいてい手首をクイッと曲げるのです。

 

という訳で、実は私たちは日頃から手首をクイクイ曲げて、前腕屈筋群をかなり酷使しているのですね。

 

そして、その前腕屈筋群は「肘の内側」につながっていますので、内側上顆に炎症が起こってしまうと「野球肘」を発症する事になるのです。つまり

 

「手首の酷使から前腕屈筋群に疲労がたまり、肘の内側に過度の負荷が生じる結果、内側上顆に炎症が起こる」

 

という流れが成立するわけです。だから、野球をしない人でも「野球肘」を発症する事があるのです。

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野球肘の治療

それでは、野球肘を発症してしまったらどうすれば良いのでしょうか。以下、野球肘の治し方を説明して行きます。

安静

基本的な流れはテニス肘と一緒なのですが、やはりまずは一番大切な事として、なるべく腕を酷使しないように安静に努める事です。

 

痛みを感じるのは患部がSOSサインを出している状況ですから、まずは安静にして体の回復力を高めてあげる必要があるのです。

 

関節痛の急性期の処置に関しては、以下の記事も参考にされてください。

 

「関節痛の応急処置はどうすれば良い?それならRICEです!」

冷却(アイシング)

ただ安静とは言いましても、安静にしたくても出来ない状況もありますね。

 

そこで、やむを得ず酷使してしまった場合には、使用後に患部を冷却しておくと、炎症を抑える事が出来るのでおすすめです。

 

アイシングは、「氷水(氷単体はダメ)」や「保冷剤」等を使用して、約5分から10分程度で良いので、皮膚の深部がキーンと麻痺してくるまで冷やしましょう。

 

なるだけ腕や手首を使う毎にこまめに実践しておくと、より効果的です。

固定

日々の仕事や家事などもありますから、腕を全く使わないという事は無理は話ですね。そこで利用したいのが「サポーター」や「コルセット」です。

 

サポーターやコルセットを利用する事で、使いながらもある程度は負荷を軽減するという事が可能になるのです。

 

野球肘では以下のような「専用サポーター」がありますので、ぜひ患部の補助の為にも活用してみてください。

 

ちなみに、以下のサポーターは「本格的なスポーツ選手用」です。一般の方は、テニス肘で紹介したサポーターで充分でしょう。

 

bonbone 肘サポーター ファンクション エルボ- プロ

 

一般用サポーターの巻き方のコツは、「痛い所から4~5㎝手首側に巻く」事です。「手首から肘に伝わってくる力を内側上顆の手前で止める」というイメージで巻きましょう。

 

「肘の外側が痛いのはテニス肘の可能性が!その原因と治し方!!」

マッサージ

筋肉を酷使している事が原因ですから、マッサージで筋肉の硬さをほぐしてあげる事も重要です。ただし注意点として

 

「痛い所を直接揉んではいけません」

 

痛いところには炎症が起きていますので、あんまりいじるとかえって炎症が悪化する危険性がある為です。

 

手首から肘に向かって揉んで行くのですが、サポーターの時と同じで、内側上顆の4~5㎝手前まで揉んだらそこで止めるようにしましょう。

 

「痛い所を直接揉まなくて良いのですか」と言われる方もおられますが、揉むとかえって危ないのです。くれぐれも痛い所を直接揉まないように気をつけてくださいね。

病院

こういった処置を施してもなかなか改善が見られないような場合、その時はかなり重症の可能性がありますので、一度医師に診てもらう必要があります。

 

詳しくは以下の記事をご参照ください。

 

「肘の痛みは何科に行くべきか?2つの選択肢から選ぼう!!」

 

以上。野球肘に関して話しました。

 

野球肘は、野球選手はもちろんの事、通常の生活を送っていても発症しやすい疾患です。

 

かなり遭遇する頻度の高い疾患ですので、ぜひその際は今回の記事をお役立て頂ければと思います。

まとめ

*肘の内側の痛みを、内側上顆炎または野球肘と呼ぶ。

*野球肘は、手首から肘に至る前腕屈筋群の酷使により発症する。

*安静、冷却、固定、マッサージが有効。それでも改善しないなら医師の診察を。

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