今回は、成人病の中でも少し特殊な疾患の話です。

 

「関節リウマチ」

 

という疾患を、あなたも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

 

免疫機能の異常によって「関節の腫れや痛み」を起こし、最終的には「関節の変形」をきたしてしまう辛い疾患です。

 

この関節リウマチはある種の「アレルギー」であり、免疫機能が過剰に反応してしまう事で、自分で自分を攻撃してしまうという厄介な病態なのです。

 

男性よりも女性に多発する疾患ですから、特に女性の読者さんには、最後までしっかりと記事をお読み頂きたいと思います。

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関節リウマチ

「関節リウマチ」は主に手足の関節に発生する疾患で、「人口の約0.5%の方(30歳以上の約1%に当たる方)」が罹患すると言われています。

 

どの年代でも発症が見られますが、特に多いのは30歳代から50歳代での発症で、「男性よりも女性の方が約3倍ほど発症が多く認められる」のが特徴です。

 

関節リウマチ発症の原因はまだ完全には解明されていませんが

 

「患者さんの免疫機能(細菌やウイルス等から体を防御するシステム)に異常がある」

 

事が、その大きな原因であると考えられています。

 

その異常を一言で言うならば、「免疫の過剰な反応」と言うことができます。先程も述べたように、関節リウマチは「アレルギー」の側面を持っており

 

「本来外敵のみに反応するはずの免疫機能が自分自身に向いてしまう」

 

のです。また「遺伝子の異常」や「細菌・ウイルスの影響」、あるいはその両方の組み合わせによっても発症するのではないかとも考えられています。

 

免疫機能が異常に活動すると、結果として関節の毛細血管が増加し、血管内から関節の滑膜組織に向けて「リンパ球やマクロファージなどの白血球」が出てきます。

 

そして、そのリンパ球やマクロファージが産生する「サイトカイン」と呼ばれる物質の影響により、関節内に炎症反応が引き起こされてゆきます。

 

そうすると、関節の内面を覆っている細胞に増殖が起こり、痛みや腫れを起こしながら関節液が増加してゆき、どんどん「軟骨や骨の破壊」が進んで行くのです。

関節リウマチの症状

関節リウマチの症状には、主に「関節の症状」と「関節以外の症状」とがあります。

関節の症状

関節の症状の代表的なものは

 

「指先から二番目の関節や拳の関節での痛みや変形」

 

を始めとして、「手首の関節や足指の痛みや腫れ」などがあります。

 

急性炎症期には、患部に触れると熱感を感じる場合もあり、進行してくると「肘や膝の関節にまで痛みや腫れ」が及ぶ事も多々あります。

 

これらの症状は通常片側から始まってくる事が多いのですが、長い期間を経て、徐々に両側の関節に対称性で起こってくる場合が多いです。

 

関節リウマチの「初期症状」としては、「動かし始める時に関節がこわばったり指が動かしにくい」などの症状から始まる事が多いのですが、特に有名な症状は

 

「朝起きた時に、指や手の平に強いこわばりを感じる」

 

という症状です。関節リウマチの代表症状であるこの現象が強いほど、「病気が活動的である」とも言われています。

 

この症状は健康な方にも見られる現象ではあるのですが、もし頻繁に見られるようならば、念のためにリウマチの検査を受けておいた方が良いでしょう。

 

関節リウマチの症状は、天候や気温などに左右される事が多く、暖く晴れた日は症状が軽く、天気が崩れ出す前や寒い日などには症状が強くなる傾向にあります。

 

また温かい夏季においても、エアコンの「冷房の風が直接患部に当たると関節痛が強くなる」場合なども見受けられます。

 

関節リウマチでは、症状が進行するにしたがって骨や軟骨が破壊されて変形が起こり、関節を自由に動かせる範囲も狭くなってきます。そして最終的には

 

手指が小指側に曲がる尺側偏位」足の親指が小指側に曲がる外反母趾」膝や肘が十分に伸ばせなくなる屈曲拘縮」などの症状が見られるようになります。

 

また、首の関節が外れやすくなる「環軸関節亜脱臼」などが原因で、後頭部が痛んだり手がしびれたりする事もあります。

関節以外の症状

全身症状としては、「疲れやすい・脱力感・食欲低下・体重減少・うつ病」などがよく見られます。

 

また「肘の外側・後頭部・腰骨」など、圧迫が加わりやすい場所の皮下に「しこり」を生じる事があり、それを「皮下結節」と呼んでいます。

 

他には、胸部レントゲン画像で肺に「肺線維症」と呼ばれる影が見つかったり、涙や唾液などが出にくくなる「シェーグレン症候群」などを併発する事もあります。

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関節リウマチの診断や検査

関節リウマチの診断に役立つ検査や指標としては

 

「症状がある関節の数・リウマトイド因子や抗CCP抗体の有無・CRP値や赤沈値・症状の持続期間」

 

などがあります。国際的にも、これらの反応をスコアリングして診断を確定してゆく方式が一般的です。

症状がある関節の数

「肩関節・肘関節・股関節・膝関節・足関節」を始め、手関節や指関節や足指などの関節を検査して、何か所の関節が罹患しているかでスコアリングしてゆきます。

リウマトイド因子(RF)と抗CCP抗体

「リウマトイド因子(RF)」は、関節リウマチ患者の「80~90%で陽性」となりますが、必ず陽性になるわけではなく、逆に健康な人でも陽性となることがあります。

 

よって、RF陽性であっても直ちに関節リウマチと診断がつく訳ではありませんが、それでも重要な検査である事には違いありません。

 

「抗CCP抗体」は、RFよりも早期に陽性反応を示す事が多く、診断のつかない早期例には抗CCP抗体の検査が有用です。

 

これら両者の陽性反応の有無や数値をスコアリングしてゆきます。

CRP値と赤沈

体内の炎症度合いを示す事で有名な「CRP値」や「赤沈値」の数値や反応からスコアリングしてゆきます。

症状の持続期間

関節リウマチ症状の持続期間が、「6週間未満」か「6週間以上」かでスコアリングしてゆきます。

関節リウマチの治療

関節リウマチの詳しい原因は不明なので、関節リウマチを根治する方法は今のところありません。

 

一昔前では、ただただ「温める」だけが治療法という時代もあって、その時代の患者さんたちは大変に辛い思いをされていた事だと推察します。

 

しかし近年では、「免疫抑制剤」や「生物学的製剤」などの優れた薬剤の発達によって、患者さんの生活の質を維持しながら症状の軽減を導くことが可能となってきました。

 

基本的に関節リウマチの治療は、以下のような

 

「投薬治療」

 

が原則となります。関節リウマチの投薬治療は、年々めざましい進歩を遂げています。

非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)

いわゆる通常の鎮痛薬の事で、「カロナール・アスピリン・ロキソニン・ボルタレン」などが代表的な薬剤です。

 

「プロスタグランジン」という炎症を引き起こす物質の産生を押さえることで、関節の痛みや腫れを軽減する効果が期待できます。

 

病気自体の進行や関節の破壊を抑えることは出来ませんが、飲んだら速やかに鎮痛効果が現れるので、日常生活を維持してゆくのに役に立ちます。

ステロイド

「リンデロン・プレドニン」などのステロイド薬には強い抗炎症作用があり、以前はその優れた作用から、関節リウマチの特効薬として多用されていました。

 

長期間、関節の痛みや腫れで動くことができなかった患者さんが、楽に動き回れるようになるような画期的な改善をもたらすことができた為です。

 

しかし、過度の使用に伴う「副作用」の問題や他の優れた薬剤の登場により、近年では以前ほど使用される頻度は少なくなりました。

 

効果も強いけど副作用も強いので、どのように他の薬剤と併用してゆくか「さじ加減」がとても重要です。

 

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抗リウマチ薬と免疫抑制剤

現在、関節リウマチ治療の主流となっている治療法です。

 

「リウマトレックス・メトレート」などの抗リウマチ薬や「プログラフ」などの免疫抑制剤は、免疫機能の異常を抑えたり改善する為の薬剤です。

 

発症早期から服用する事で、症状の進行を抑制したり関節の破壊を防ぐ効果が強く期待できます。

生物学的製剤

生物学的製剤とは、化学的に生成された薬剤ではなく人体由来の物質から生成される薬剤です。

 

「レミケード・エンブレル」などが代表的な薬剤です。炎症を完全に抑え込める事も多いので、効果という意味では一番強いと言われています。

 

また、すでに破壊された関節の修復効果が認められるケースも報告されており、現在たいへん注目されている治療法でもあります。

 

この治療法も、やはり早期から行ってゆく事が望ましいでしょう。

 

ただし治療費が高いのが難点であり、健康保険適用でも「月に1万円~3万円」程度は必要な場合が多いので、よく医師とも相談しながら適用を考えてゆく必要があります。

 

このように様々な治療法の登場によって、関節リウマチの治療は昔に比べてとても進歩しています。

関節リウマチ患者さんの妊娠や授乳について

この疾患は女性の方に多いのが特徴であり、やはり「妊娠」や「授乳」に関する心配や問い合わせが多いのも実状です。

 

その点につきましては、以下のサイトで「村島温子医師」が詳しく解説されていますので、ぜひそちらをご覧ください。

 

「リウマチ情報センター」

 

以上。関節リウマチについての情報を話しました。

 

関節リウマチの治療は「発症から2年間がとても重要」だと言われています。この期間をどのように対応するかで、その後の生活の質がかなり変わってくるのです。

 

「起床時に手や指がこわばる・関節が腫れやすい・関節を押すと強く痛む」などの症状が頻繁に気になる時は、早めに「リウマチ科」や「膠原病内科」等で診察を受けてくださいね。

まとめ

*関節リウマチとは、免疫の過剰反応によって関節に痛みや腫れが起こる疾患。

*最終的には関節の破壊に至る。

*第2関節、拳の関節、手首や足首の関節などに起こりやすい。

*症状がある関節数、リウマトイド因子や抗CCP抗体の有無、CRP値や赤沈値、症状の持続期間などで診断を確定してゆく。

*鎮痛薬やステロイド治療を始め、最近では抗リウマチ薬、免疫抑制剤、生物学的製剤などの優れた治療法が登場している。

*関節リウマチの治療は、発症から2年間の対応がとても重要。

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