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あなたは「整骨院」や「整体院」などの治療院に行かれた事はあるでしょうか。

 

私は整骨院を運営していますが、来院患者さんの中には「痛みは無いけど骨格が悪いと言われたから」とか、「体の歪みを放っておくと悪いと言われたから」など

 

「実際は関節の痛みなどの不快な症状を感じていない」

 

にも関わらず、骨の矯正だけを目的に来院される方がけっこうおられます。でも・・・これってほんとうに正しい事なのでしょうか。

 

骨格矯正という類の言葉は、我々治療家業界の人間がよく使用しがちな言葉なのですが、私はこの言葉あまり好きではありません。

 

果たして、何ら痛みなどの症状を訴えていない患者さんに対して、放っておくと悪いからという理由で骨格矯正を行うことに意味はあるのでしょうか。

 

今回は、そのあたりの私の考えについて話してみたいと思います。

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治療とは何だろう

「治療とは一体何だろうか」。これは医療の道を志す者であれば必ずぶつかる壁です。

 

私が思うに、「治療」とはすでに起こってしまった症状に対して、速やかにその症状が軽減改善する為の処置や手助けを行う事だと思います。

 

なので、何ら体の苦痛を訴えていない方に対して、治療と称して「骨格矯正をします」などと体に介入する行為には、ひどく違和感を感じるのです。

 

「肩の高さが違う・脚の長さが違う・骨盤の位置が違う」

 

われわれ治療家がよく口にする言葉ですが、以下の記事でも話しているように、「骨格の変形と体の痛みにそれほど深い関係性はありません」。

 

体の歪みと体の痛みの関連性については、それほど科学的な根拠はないのです。

 

「骨格の歪みで痛みが出るっていまだに信じている人集まれ!!」

 

もちろん骨格が綺麗であるに越したことはありませんが、それでも

 

「体の歪みを放っておくと大変な事になりますよ」

 

というような非科学的な事を理由にして、治療家も患者さんも疑うことなくそれを受け入れている現状は、あまり正しい状況ではないように思います。

寝ている子は起こすな

体には「自然治癒力」というものがあります。人の体は、基本的に健康に生きられるように出来ているのです(老化は除いて)。

 

なので、何らか体の苦痛が生じたのならば直ちに対処してゆかなければいけませんが、現時点で特別苦痛が無いのならば無理に介入する必要はないのです。

 

「どんな医療行為にもそれなりのリスクが伴う」

 

事を忘れてはいけません。余計な医療行為を施す事によって、患者さんの自然治癒力を邪魔してはいけないというのが私の考えです。それに再三申し上げるように

 

「骨の変形=痛みではない」

 

のです。明らかに骨の変形が強い方でも、全く苦痛を感じずに生活している方はたくさんおられますし、そもそも骨格が完璧な方など私は見たことがありません。

 

「寝ている子は起こすな」

 

ということなんですよ。つまり、「症状が無いのに無理に体をいじくるな」という事ですね。私の経験上、レベルの高い治療家ほどこの点をよく理解しています。

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治療ありきの体にしてはいけない

私は、患者さんを

 

「治療ありきの体質にしてはならない」

 

と考えています。患者さんの体はあくまで御自分の力によって維持されるべきであり、私たちは治療や情報発信によってそのお手伝いをしてゆくのみです。

 

治療家ならば、どこまでも人体の神秘に謙虚でありたいものです。治療する必要が無いのならば、はっきりと「治療する必要はない」と言える治療家こそ優れた治療家です。

 

むろん、「体の歪みを放っておくと大変になりますよ」という言葉は患者さんに効きます。いわゆるキラーフレーズですからね。

 

経営上そういう言葉を上手に使えると良いのでしょうが、私はこの手の言葉をあまり好みません。だって、人間の体はそんなに単純ではありませんからね。

 

以上。骨格矯正の必要性について話しました。

 

今回の記事は、かなり治療家によって意見が割れるところでしょう。

 

ただ、少なくとも私の臨床経験では、「症状がない人への骨格矯正は意味が無いばかりかリスクの方が多い」と思いますよ。

 

安易にそういう治療を受けてしまったがゆえに、後で変な症状が出てしまい後悔しているという人をたくさん見てきましたから。

 

「不自然の自然」という言葉があります。いっけん不自然なようでも、実は絶妙なバランスの上に成り立っていることの比喩ですね。

 

この言葉、操体法の創始者である「故橋本敬三医師」の言葉なのですが、人間の体もまさしくそうなのです。

 

一見体が歪んでいるような人であっても、特別苦痛などを感じていない方というのは、この不自然の自然状態に在るのです。

 

よって、外から変にいじってしまうとかえってそのバランスが崩れる事があるのですよ。

 

骨格矯正を受けようと考えておられる方には、施術を受ける前にこういった人間の体の神秘について思いをはせていただきたい。そのように考えています。

まとめ

*治療とは、すでに起こってしまった症状に対して速やかに処置や手助けを行うこと。

*何の苦痛も訴えていない患者さんに対して、治療と称して体に介入する行為には疑問を感じる。

*受けの良いフレーズとして、体の歪みや骨格矯正という言葉が使われ過ぎている。

*体には自然治癒力があり、治療家の仕事はそれを後押しするのみ。

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