今回の記事は、最近のニュース等でも話題になっている

 

「無痛分娩(出産)」

 

について考えてみたいと思います。

 

出産時の苦痛は、「鼻の穴からスイカを押し出すくらい痛い」とか、「あまりに痛くて半ば失神しながら産んだ」など、とにかく痛い事でも有名ですね。

 

そういった話を聞くにつけ、出産時の痛みを軽減する「無痛分娩」が気になるというお母さんも多いのではないでしょうか。

 

でも、無痛分娩には苦痛を和らげるという良さがある一方で、欠点や危険性があるのではないかという心配もありますよね。

 

今回は、そういった点について一緒に考えてみましょう。

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無痛分娩(出産)

無痛分娩とは

 

「麻酔薬を使って出産時の苦痛を和らげる」

 

医療行為を指します。麻酔とは言っても、麻酔で完全に眠ってしまう訳ではなくて、苦痛を和らげながらも意識はあるような部分麻酔状態です。

 

いくら無痛分娩とは言っても、分娩時のいきみは当然必要ですからね。それに、出産直後に赤ちゃんを抱きしめたいというお母さんが多いですからね。

 

要は、「苦痛が軽くなる」という事以外には通常の出産とほとんど同じなのです。

 

また、無痛分娩という呼称から「まったく苦痛がない」と考えておられる方も多いのですが、あくまで「苦痛が軽くなる」のであって、100%苦痛がなくなるわけではありません。

 

無痛分娩の場合、通常は事前に出産日を決めて行う

 

「計画出産」

 

となる事が一般的です。無痛分娩は欧米ではとても一般的な医療行為なのですが、日本ではまだまだ主流ではありません。その理由として

 

「生みの苦しみを経験する事が重要である」

 

という価値観が背景にあるようです。これは欧米では理解されにくい考えなのですが、日本では古来より、生みの苦しみに比例して子どもに愛情が湧くという考え方があります。

 

しかし個人的には、まったくこの考え方に固執する必要はないと思いますので、無痛分娩を選択することに後ろめたさを感じる必要はないと考えます。

 

少し前のデータですが、2008年に厚生労働省の研究チームが行った調査では、日本の産科施設のうち無痛分娩を行っているのはわずかに約1割程だったそうです。

 

外国での割合は、アメリカで約6割、フランスでは実に約8割にも及びます。アジアでは全体的に利用率は低く、一番多いシンガポールでも約2割程度と言われています。

無痛分娩の方法

無痛分娩には、大きく分けて「硬膜外麻酔」と「静脈点滴麻酔」という2つの手段があります。

硬膜外麻酔

背骨の脊髄にチューブを入れて麻酔薬を注入する手法です。針をさす際には少し痛みを伴います。

 

「硬膜外麻酔」は苦痛を和らげる効果が強いのですが、出産の最後まで意識ははっきりしていて、赤ちゃんへの影響もほとんど見られません。

 

麻酔薬の影響が母子ともに少ないという点からも、海外では硬膜外麻酔による無痛分娩が一般的です。イメージとしては「局所麻酔」のようなものですね。

静脈点滴麻酔

静脈から点滴にて麻酔薬を注入する手法です。硬膜外麻酔と比べると苦痛軽減効果が弱いのですが、処置自体は比較的容易に済むのが利点です。

 

出産中に多少眠くなったり呼吸が弱くなる方もいますが、たいていの方は赤ちゃんが生まれてくるまで意識があります。

 

生まれてくる赤ちゃんも多少眠そうな感じで生まれてくる場合が多いのですが、薬の作用が抜ければ母子ともに元気になります。イメージとしては「全身麻酔」のようなものです。

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無痛分娩のメリット

無痛分娩は完全に苦痛がなくなる訳ではありませんが、かなり苦痛が和らぐ分だけ母体への疲労度が少なく、出産後の回復が比較的早いという長所があります。

 

また通常出産時には、分娩中にいきむ際に力が入って呼吸を止めてしまう事も多く、結果的に赤ちゃんに届く酸素量が減少する事態がまれに起こります。

 

減る量が少しであれば問題ないのですが、「妊娠高血圧症」などで赤ちゃんへの血流が元々弱い場合などは、「低酸素脳症」などを起こすリスクも考えられるのです。

 

その点無痛分娩で出産すれば、血流や酸素量をじゅうぶん保ちながら分娩できるというメリットもあるのです。

 

それ以外にも、心臓や肺などに持病を持っている妊婦さんなどでは、母体への負担を軽減するために無痛分娩を検討した方が良いこともあります。

 

無痛分娩が気になる方は、かかりつけの産婦人科医によく相談してみましょう。

無痛分娩のリスク

考えられるリスクとしては、苦痛軽減効果には個人差があるので、中には思い描いていたほど効果が得られなかったというケースもあるでしょう。

 

逆に麻酔の効果が強く現れ過ぎると、いきみを感じられない場合や陣痛が弱くなる場合があり、胎児の分娩を促すために、「鉗子分娩」や「吸引分娩」が選択される事もあります。

 

また、眠気や疲労感や頭痛などを感じる方もおられますが、これらは一過性の症状です。

 

こういった症状が発生する確率としては、硬膜外麻酔よりも静脈点滴麻酔の方が比率が高いようですね。

 

しかし硬膜外麻酔であれ静脈点滴麻酔であれ、麻酔薬自体が赤ちゃんに大きな影響を与えることは「ほぼない」という研究データが出ています。

 

無痛分娩で生まれた赤ちゃんの「アプガー指数(心拍数・呼吸・皮膚色・神経反射などを点数化したテスト)」を見ても、特別に異常反応や数値はなかったそうです。

 

その他には、巷でよく出回っている噂の一つですが

 

「無痛分娩は自閉症の原因になる」

 

という話しを聞かれた事がある方もいるかもしれません。しかし、この説について医学的な根拠はありませんので、あまり神経質にならなくても良いでしょう。

リスクがあるとすれば手技の未熟

このように、麻酔自体が生体に及ぼす影響はほとんど心配しなくても良いのですが、リスクがあるとすれば「医師の手技力に未熟がある」場合です。

 

そこでもし無痛分娩を希望される場合には、「日本産科麻酔学会」が公開している「無痛分娩施設リスト」を参考にしながら医療機関を選定しましょう。

 

またもっとも参考になるのはやはり経験者の声です。たとえばこちらのような「サイト」で実際の声を聞いてみるのも大変参考になるでしょう。

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無痛分娩の費用

無痛分娩は、通常の出産と同じく「保険適用外」となります。費用は病院によっても異なりますが、通常の分娩費用に加えて

 

「個人医院で+5万円・総合病院で+10万円・大学病院で+15万円」

 

といった金額が1つの目安となります。後で話が違うとならないように、診察時にクリニックによく確認しておくことが大事ですね。なお無痛分娩を希望される方は、できるだけ

 

「妊娠32週より前」

 

に希望を伝えておくのがおすすめです。あまり遅くなると対応ができなくなる場合がありますので、その点はぜひお忘れなきように。

 

以上。無痛分娩についてお話ししました。

 

無痛分娩については、あちこちでさまざまな話しや考え方が紹介されていますが、実際に現場にいる医療スタッフやママさん体験者に聞くのが一番です。

 

メリットやリスクについてよく相談しながら、自分に納得のゆく形で決断への道を歩んでゆきましょう。

まとめ

*無痛分娩とは、麻酔薬を使って出産時の苦痛を軽減する行為。

*硬膜外麻酔と静脈点滴麻酔に大別される。

*苦痛が軽減されるので、疲労度の軽減や産後の回復が早いのがメリット。

*麻酔が効きすぎると、眠気や疲労感や頭痛などが起きる場合がある。

*麻酔薬自体の生体への影響はあまり心配いらない。

*無痛分娩に熟練した医療機関を納得できるまで探す。

*通常出産費用にプラスして、5万~15万円程の費用がかかる。

*妊娠32週前には希望を伝えておく事。

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