高齢者の方に多発する骨折として

 

「腰椎圧迫骨折」

 

という疾患があります。当院でも、毎年数人の患者さんがこの疾患で這うように来院されています。

 

この疾患は腰と背中の継ぎ目あたりの背骨が折れてしまう骨折なのですが、いったいなぜ圧迫骨折は起きてしまうのでしょうか。

 

今回は、圧迫骨折の原因や症状、そして治療法やリハビリについて考えてゆきましょう。

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腰椎圧迫骨折

腰椎圧迫骨折は、「胸腰椎移行部(第12胸椎と第1腰椎間)」に発生しやすい骨折です。

 

名前の通り、上下からプレスされて潰れたような骨折を起こす病態で、主に60歳以上の高齢者女性に多発します。原因はほとんどが「転倒」による衝撃です。

 

通常、健康な状態ではある程度大きな力が加わっても骨が折れることはありませんが、なぜ高齢者女性によくこの骨折が多発するのかと言うと、それは

 

「骨粗鬆症(こつそしょうしょう)」

 

が原因なのです。骨粗鬆症は骨がスカスカになってしまう病態で、これも高齢者女性に多発する事で有名ですね。

 

圧迫骨折を起こしてしまう方の大半は、この骨粗鬆症になってしまっている場合がほとんどなのです。骨の中がスカスカなので、小さな外力でも骨が折れてしまうのですね。

腰椎圧迫骨折の症状

腰椎圧迫骨折の基本的な症状としては

 

「動作痛」

 

がメインとなります。じっとしていればあまり痛みませんが、寝返りを打つ、椅子から立ち上がる、歩きはじめなどの動作を行う際には、非常に強い痛みを感じます。

 

また、これは臨床上よく見られる症状ながらあまり知られていないのですが

 

「お腹が痛くなる」

 

ケースもかなり多いです。お腹を痛がるのでお腹を検査するのですが何も異常が見つからない。しかし、四六時中お腹を痛がるので腰をよく検査してみたら圧迫骨折だった。

 

そういうケースがかなり多いので、高齢者が転倒した後などにお腹を痛がる場合には、圧迫骨折も疑った方が良いでしょう。

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腰椎圧迫骨折の治療

腰椎圧迫骨折の治療は、原則として

 

「コルセットによる固定」

 

です。おおよそ「3ヶ月~4ヶ月の固定期間」を要す場合がほとんどです。ちゃんと期間を守れば、痛みはかなり引いてしまいます。

 

途中で固定をいい加減にすると、後でとても身長が低くなったり、腰がまがって前屈みの状態になったりと後遺症を残しやすいので、その点は気を付けましょう。

 

圧迫骨折が多数の箇所に発生した場合は治療が難しくなりますが、初期の段階からちゃんと治療に着手すれば、大事に至る可能性は低いでしょう。

 

また2011年からは、健康保険が適用される

 

「BKP治療法」

 

という新しい治療法が導入されるようになりました。全身麻酔下で骨に特殊なセメントを流し込み、潰れた骨を膨らませる治療法です。

 

この治療法では痛みが早く改善しやすいのですが、決して簡単な治療法ではありませんので、あくまで固定で治りきらない方に限定して行われるケースがほとんどです。

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腰椎圧迫骨折のリハビリ

医師からコルセットを外しても良いという許可がでたら、リハビリを積極的に行って行きましょう。

 

コルセットをつけたままにしておけば、ある程度は痛みが少なくて楽なのですが、いつまでもそのままだと筋肉が固まってしまう恐れがありますので、リハビリが重要です。

 

コルセットを外してしばらくは、動く際にかなり痛みを感じるとは思いますが、固まった筋肉をほぐすためにはそこを乗り越えてゆかなければいけません。

 

一つ注意点ですが、「腰や背中をマッサージしてはいけません」よ。素人が安易に行うと、再び折れてしまう可能性が大です。それよりも大事なことは

 

「お腹をほぐす」

 

ことなのですよ。お腹の深部には、「大腰筋(だいようきん)」という腰痛関連の重要な筋肉が存在しますが、ここをほぐすと腰痛は軽減しやすいのです。

 

なので、特に圧迫骨折の後には腰を直接いじらずにお腹をほぐす事に注力してみてください。

 

下の動画では両方同時にお腹をほぐしていますが、このやり方は痩せた方向きです。お腹が出ている方はやりにくので、片方ずつ交互に押さえてほぐしてみるのが良いでしょう。

以上。腰椎圧迫骨折について話しました。

 

60歳以降の女性の方では、かなりこの疾患に見舞われるケースが増えてきます。罹患すると、しばらくは痛みの為に日常生活に支障が出ますので、せひとも気を付けてくださいね。

 

転倒防止に気を付けるのはもちろんの事、医療機関を受診して骨粗鬆症の予防にも取り組むなど、発生防止に努めるようにしてください。

まとめ

*腰椎圧迫骨折は胸腰椎移行部に多発し、上下から潰されたように骨が折れる。

*動作時の腰背部痛や、お腹の痛みなどが起こりやすい。

*基本はコルセットによる固定治療がメインだが、BKPという手術治療も選択肢としてある。

*リハビリではお腹の大腰筋をほぐす事が重要。

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