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子どもの手を引っ張ったら、急に腕をダランと下げたまま泣き始めた。

 

いっこうに動かそうともせず泣きじゃくり、親も何があったのか分からず右往左往してしまった、という経験はありませんか。

 

こういう症状がある場合、幼児期や小児期の子どもによく発生する

 

「肘内障(ちゅうないしょう)」

 

と呼ばれる肘の脱臼現象である可能性が高いです。

 

それほど頻発する負傷ではありませんが、周りの大人たちに聞いてみたら、必ず何人かは「経験がある」と言うぐらい、実は日常でよく起こっている負傷でもあります。

 

今回は、そんな「肘内障」についての話です。

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肘内障

肘内障とは、小児に見られる「肘の脱臼」現象です。

 

脱臼と言っても、大人の脱臼のように骨が外れるわけではなく、「橈骨輪状靭帯(とうこつりんじょうじんたい)が骨から外れる」病態を言います。つまり

 

「骨の脱臼と言うよりも靭帯の脱臼」

 

と言った方が正しいのです。

 

好発年齢は6歳ぐらいまでの子どもで、とりわけ2~4歳あたりの子どもによく発生します。まだ靭帯が緩くて骨の発達も不十分なためです。

 

 

肘内障の症状

肘内障が発生した場合、子どもは

 

「痛みの為に一切腕を動かさない」

 

状態となります。触ろうものなら大騒ぎ、大声で泣いて手が付けられない。そんな状態となり、周りもどうしたら良いのか途方にくれてしまいます。

 

しばらくすると泣きやんで落ち着きますが、いぜんとして腕は一切動かさないという状態が続きます。

 

中にはそのうち「ケロッ」として遊びだす子もいますが、何かの拍子に腕に衝撃を感じると、また急に泣き始めて手が付けられなくなる、といった事を繰り返します。

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肘内障の治療

肘内障を「整復=(元に戻す)」する事はそれほど難しくはありません。

 

橈骨頭という肘の骨の外側突起を圧迫した状態で、腕を内側や外側へ捻りながら肘を曲げると、「ゴリッ」とした軽い衝撃を感じます。これが整復されたサインです。

 

特別に固定などを行う必要はありませんが、しばらく激しい運動などは休ませましょう。また、急に手を引っ張ったりもしないでください。

 

整復されたかよく分からないので確かめたいという時は

 

「子どもの好きなおやつを患部側の手」

 

に差し出してみましょう。その時、子どもが「痛かった側の手でおやつをちゃんと取れた」なら、ほぼ間違いなく整復されています。

 

靭帯が元の位置に戻って痛みがなくなり動かせるようになった証です。

 

ただし、いかにして橈骨頭を見つけるのか、また泣きじゃくる子どもを相手にいかに冷静に処置が出来るのかといった点は、やはり経験や勘どころが必要となります。

 

何度も経験がある子どもならまだしも、初めて肘内障になった場合などに素人手技を行うのは非常に危険です。早めに整形外科医や柔道整復師を受診してくださいね。

 

「肘の痛みは何科に行くべきか?2つの選択肢から選ぼう!!」

 

なお肘内障の際に鑑別すべき疾患として

 

「鎖骨骨折」

 

という外傷があります。同じように腕をダランと下げて動かさない状態がよく似ているのです。

 

特に、親が見ていない時に負傷した場合などは、どういう状況で傷めたのか分からないので判断に迷う時があります。その場合の鑑別方法としては

 

「両脇を持って高い高い」

 

してみてください。その際にとても痛がるようなら「鎖骨骨折の可能性が強く」、特に痛がらないようなら「肘内障の可能性が強い」です。

 

当然どちらの場合も医療機関は受診すべきですが、特に鎖骨骨折は血管損傷などの合併症がまれに起こりますので急いで受診しましょう。

 

以上。肘内障について話しました。

 

今回の話は知っておくとかなり為になる話ですよ。

 

案外出くわす事が多い疾患ですから、万が一あなたの身近で起こった場合に今回の知識を生かして素早い対処やアドバイスが出来れば、あなたの信頼度もぐんと上がりますね。

まとめ

*肘内障は、幼児や小児に多い肘の脱臼。

*骨の脱臼ではなく橈骨輪状靭帯の脱臼。

*子どもの手や腕を急に引っ張った際などに発生しやすい。

*整復はそれほど難しくないが素人手技を行うのは危険。必ず医療機関へ行く事。

*鎖骨骨折との鑑別が必要である。

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