524fc4ee08363b2f208586a969dc8506_m

前回は、発見が難しくて薬が効きにくいケースもある「マイコプラズマ肺炎」について話しましたが、今回は特に高齢者の方に気を付けていただきたい肺炎を紹介します。

 

高齢者の方は、これからの寒くなる季節に「肺炎」に罹患する方がかなり増加しますので要注意です。高齢者の肺炎でもっとも多いタイプは

 

「細菌性肺炎」

 

で、これは「常在菌」といって普段から喉や鼻などに存在する細菌が、風邪などで体が弱っている時に肺の「肺胞部」に侵入して炎症を引き起こす病態です。

 

今回は、この「細菌性肺炎」についての話です。

スポンサードリンク

細菌性肺炎

細菌性肺炎は主に高齢者に好発する疾患で、「肺炎球菌・インフルエンザ菌・黄色ブドウ球菌」等の細菌感染により引き起こされます。

 

中でも最も多いタイプが、CMなどでもよく目にする事がある

 

「肺炎球菌性肺炎」

 

です。肺炎球菌などの細菌は、上でも書いたように多くは常在菌として普段から鼻や喉に存在しています。

 

ところが風邪などで体が弱ると、「これ幸い」と肺胞へ侵入してゆき、そこで炎症を引き起こして肺炎へと続いてゆくのです。

 

 

細菌性肺炎の症状

細菌性肺炎の症状は、「しつこい咳やタン・発熱・息苦しさ・わずかな動作での息切れ・食欲不振」などが見られます。

 

しかしはっきりと症状が出る場合は少なく、どちらかというと風邪や喘息のような症状がだらだらと続き、いよいよ体調が悪くなってから発見というパターンが少なくありません。

 

先日も、通常の治療で当院へ来院された患者さんが、診療室へ歩いてくるだけでひどい息切れを呈していたので、「明らかにおかしいから内科へ行くように」と指導したのです。

 

ところが、「自分はぜんそく持ちだからたまたま調子が悪いだけ」と言われてなかなか病院へ行こうとされませんでした。

 

しかし数日後、再度診察したらまだ明らかに苦しそうので、無理やりご家族の方に病院へ連れて行ってもらったところ、やはり細菌性肺炎を発症していました。

 

その方は、糖尿病などの患いも長かった事や受診が遅れた事もあって、治療が長引いてしまいしばらくは入院生活を余儀なくされたのでした。

 

こんな具合で、すぐに病院へ行かずに発見が遅れるケースもありますので、特に高齢者の方には気を付けて頂きたいと思います。

スポンサードリンク

細菌性肺炎の治療

細菌による疾患ですから「抗生物質による治療が有効」となります。

 

細菌によって使用する抗生物質が違いますので、タンや血液の検査によって菌の特定をすることが急がれます。

 

一般的に、原因菌としては「肺炎球菌」が最も多いので、「ニューキノロン系」や「カルバペネム系」の抗生物質が選択されるようです。

 

なお、あまりにも発見が遅くて症状が進行している場合や、糖尿病などの合併症により重篤な状態となっている方では、「ステロイド治療」の併用も検討されます。

細菌性肺炎の予防

風邪を引いた後で二次的に発症するケースが多いので、「風邪を引かないあるいは風邪を長引かせない」という視点が大事です。

 

また呼吸に関する症状が酷い場合には、かかりつけ医に必ず申告して早期に発見してもらう事が重要です。

 

なおCMでもおなじみの「肺炎球菌ワクチン」ですが、細菌性肺炎の中で最も多い「肺炎球菌性肺炎」に非常に効果が期待できます。

 

65歳以上の方はぜひ接種を検討しておきたいですね。

 

以上。細菌性肺炎の話しでした。

 

肺炎は「日本人の死因第4位」の疾患です。それだけ生命に関わる重大な疾患である事を理解して頂き、未然に防ぐ事や早期に発見する事を心がけましょう。

 

特に高齢者の方は、絶対に甘く見てはいけませんので用心しておきましょう。

まとめ

*細菌性肺炎は、肺炎球菌、インフルエンザ菌、黄色ブドウ球菌などの細菌が原因である。

*最も多いのは肺炎球菌性の肺炎。

*細菌性肺炎の症状は、しつこい咳、ひどい息切れ、微熱が続く、食欲不振など。

*細菌性肺炎の治療は抗生物質が基本。ただし、症状が重篤な場合はステロイド治療も併用。

*肺炎球菌ワクチンの接種により、最も多い肺炎球菌性肺炎の8割を抑える事が可能。

スポンサードリンク