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今日の話は少々怖い話になりますが、子どもを持つ親ならば必ず知っておかなければいけない疾患です。

 

「細菌性髄膜炎(さいきんせいずいまくえん)」

 

名前は知っているという方もおられるのではないでしょうか。致死率が非常に高い疾患ですから、必ずその全体像を理解しておきたい疾患ですね。

 

髄膜炎は「ウイルス性」と「細菌性」とに大別できます。

 

ウイルス性は「無菌性髄膜炎」と言い、たいていはあまり大過なく経過してゆくのですが、細菌性髄膜炎は非常に危険で生命に危機が及ぶこともあります。

 

今回は、その「細菌性髄膜炎」についての話しです。

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細菌性髄膜炎

脳や脊髄を保護する膜を「髄膜」と呼びますが、その

 

「髄膜が炎症を起こす病態を髄膜炎」

 

と呼びます。「新生児・乳幼児・青年期・成人」いずれの年齢でも発症は見られますが、低年齢になるほど症例も多くかつ重症度も高くなります。

 

タイトルには「大人も感染」とありますが、大人の感染自体はそれほど多くありません。ただしそれだけに見逃されるケースもありますので、髄膜炎の特徴的な兆候は必ず知っておきましょう。

 

新生児でよく見られるのは「出産時に産道で細菌に感染した」ケースで、乳幼児でよく見られるのは「感染した人の分泌物(唾液など)」等からの感染です。

 

原因菌は「インフルエンザ菌B型(インフルエンザウイルスとは違う)」や「肺炎球菌が80%を占め、「大腸菌」や「B群連鎖球菌」などが残りの原因菌として挙げられます。

 

また、感染数自体が一番多いのは「インフルエンザ菌B型」によるものですが、最も重症度が高いのは「肺炎球菌」によるものと言われています。

 

決して頻度の多い疾患ではありませんのであまり神経質に心配する必要はありませんが、しかし同時に、決して甘く見てはいけない疾患でもあります。

細菌性髄膜炎の症状

「高熱・頭痛・意識障害・嘔吐・頚部硬直(首を前に倒せない)」などの症状が発現します。特に、頚部硬直の症状は

 

「髄膜刺激兆候(ずいまくしげきちょうこう)」

 

という髄膜炎特有のサインとなりますから、必ず見落とさないようにしておきたいです。

 

幼児や青年期以降では割と症状をしっかりと訴える事が出来ますが、新生児や乳児では症状が上手く伝えられない為に大変機嫌が悪くなります。

 

抱っこしてもひどくむずがったり、授乳しようとしても食欲が無かったりと何かいつもと様子が違う事に気付きます。

 

そのうち目の動きがおかしくなったり、顔の筋肉が麻痺して表情が崩れたりして、初めて「これはただ事ではない」と慌てるのです。

 

また新生児においては、「泉門」という頭蓋骨の中央部分にある柔らかい隙間があるのですが、脳の圧力が高まる事でここがパンパンに腫れてくることがあります。

 

通常の風邪と良く似た症状もあり、なかなか区別が難しいところもありますが、かなり重症度が高いので普段の風邪のときとは様子が明確に違うものです。

 

特に、「頭痛・意識障害・嘔吐(噴水のように勢いよく吐く)・項部硬直(首が前に倒せない)・泉門の腫れ」が疑われる場合には、早急に専門医へ診察を仰ぐ必要があります。

 

新生児や乳児では致死率が高いので絶対に侮れない疾患ですよ。

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細菌性髄膜炎の治療

原因菌の特定と同時に、あるいは特定前から大量の「抗生物質静脈投与」が施されます。

 

しかし、残念ながら新生児では4人に1人の割合で亡くなってしまい、乳児においても5人に1人ほどの割合で亡くなってしまうという統計があります。

 

また生命を取り留めても、2~3割の子どもに後遺症が見られ、難聴や麻痺や知的障害などが発現する事があります。特に年齢が低くなるほどその傾向は強いようです。

 

ですから症状の早期発見もさることながら、予防接種による事前の感染予防が大変重要になります。

細菌性髄膜炎の予防

予防接種による感染リスクの軽減が、現状では最も確率の高い予防法です。細菌性髄膜炎の予防接種は

 

「インフルエンザB型菌ワクチン(通称:ヒブワクチン)および肺炎球菌ワクチン」

 

がありますので、これらの予防接種にて事前に予防策を講じておくのが理想です。必ず接種を検討しておきたいですね。

 

生後2か月ぐらいから接種が可能ですから、かかりつけの小児科医とよく相談し、他の予防接種との兼ね合いも考えながら、スケジュールを決めておきましょう。

 

 

以上。細菌性髄膜炎の話でした。

 

決して頻度の高い疾患ではありませんが、罹患すると生命にかかわる重大な疾患ですから、子どもを持つ親としては必ずマークしておきましょう。

まとめ

*髄膜炎はウイルス性と細菌性があるが、細菌性の方が重篤である。

*細菌性髄膜炎は、インフルエンザ菌(インフルエンザウイルスとは違う)B型や肺炎球菌が主な原因。

*新生児や乳児などの低年齢児ほど、重症度や後遺症の確率が高くなる。

*頭痛、嘔吐、項部硬直、意識障害、泉門の腫れなどの徴候に要注意。

*早期治療でも亡くなるケースがある。予防接種による事前予防策を検討すべし。

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