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東洋医学には「鍼灸」という概念がありますが、その中に

 

「井穴(せいけつ)治療」

 

という手技があります。井穴は「ツボを統括するツボ」とも言われており、文字通り全身に多数存在するツボの総司令部とも言える存在です。

 

井穴は手や足の爪の根元に位置し、病状のある臓器や痛みの存在する場所に応じて、どこを刺激したら良いのかが体系的に決められています。

 

治療家ではない一般の方でも「再現性の高いツボ治療」ですから、ぜひとも覚えて頂きたい手法ですね。

 

私は長年の臨床経験から、井穴治療は「最も簡易で素晴らしい効果を発揮する治療法」の1つだと確信しています。

 

しかも高価な医療機器などは必要ないので、治療院にお世話にならずとも、一般の方が自宅で行える「セルフケア」としても大変優れています。

 

今回は、そんな「井穴の働き・位置・名称」などをまとめて話してみたいと思います。

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経穴(ツボ)と経絡

ツボという言葉が一般的にはよく使われていますが、正式にはツボの事を

 

「経穴(けいけつ)」

 

と言います。しかし、社会一般には「ツボ」という名称で通っていますので、以下「ツボと統一」して呼称してゆきます。

 

ツボは鍼灸の世界の概念であり、科学的にはその存在が解明されていません。しかし、鍼灸は国に認められた治療法であり、「鍼灸師」という国家資格も存在します。

 

つまりツボの原理は科学的には良く解らないけれども、一定の効果があるという事が国によって認められているのですね。また、鍼灸の世界には

 

「経絡(けいらく)」

 

という概念もあります。これは、鉄道に例えると「線路」のようなもので、体の「エネルギーの流れる道」のようなものと考えられています。

 

そして、その経絡の途中途中に存在する駅。それが「ツボ」なのです。

 

どのツボがどの症状に適するというパターンが、今日までたくさんの先人たちの試行錯誤により、さまざまに体系化されてきました。

 

その中の1つ、いや最高峰とも言えるツボ治療が「井穴治療(せいけつちりょう)」なのです。

井穴とは

人間の体には「12系統の経絡」があるとされており、その経絡ごとにいろいろなツボが配置されています。

 

それら12本の経絡毎に、「その経絡を統括するツボ」がそれぞれ存在しており、それら12個のツボを総称して「井穴(せいけつ)」と呼びます。

 

体のツボを1つ1つ覚えていくのは簡単な事ではありませんが、井穴は全てが手か足の爪先に集中しており、大変覚えやすいのです。そして

 

「1つの井穴を刺激する事でその井穴に属する経絡を一網打尽に治療できる」

 

のです。そこが井穴治療の凄いところです。その井穴を使用して、様々な疾患の治療に当たる

 

「井穴刺絡(せいけつしらく)」

 

という治療法が存在し、現在多数の医師や鍼灸師によって、治療や啓蒙活動が行われています。

 

詳しい位置や刺激法などについては、「井穴刺絡研究会のホームページ」より井穴刺絡についての項をご覧いただくと、より理解が深まろうかと思います。

 

井穴を使いこなせるようになるだけで、内臓関連の症状や筋肉関節の痛みなど、体の不具合の大部分に対応出来るようになると言っても過言ではありません。

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井穴毎の位置と名称

1,肺経

手の親指にある「少商」というツボです。別名「H1」と呼びます。

2,大腸経

手の人差し指にある「商陽」というツボです。別名「H6」呼びます。

3,心包経

手の中指にある「中衝」というツボです。別名「H2」呼びます。

4,三焦経

手の薬指にある「関衝」というツボです。別名「H5」呼びます。

5,心経

手の小指にある「少衝」というツボです。別名「H3」呼びます。

6,小腸経

手の小指にある「少沢」というツボです。別名「H4」呼びます。

 

 

井穴刺絡研究会HPより引用」

7,脾経

足の親指にある「隠白」というツボです。別名「F1」呼びます。

8,肝経

足の親指にある「大敦」というツボです。別名「F2」呼びます。

9,胃経

足の人差し指にある「厲兌」というツボです。別名「F6」呼びます。

10,胆経

足の薬指にある「竅陰」というツボです。別名「F5」呼びます。

11,腎経

足の小指にある「内至陰」というツボです。別名「F3」呼びます。

12,膀胱経

足の小指にある「至陰」というツボです。別名「F4」呼びます。

 

漢字の名称は難しいので覚えなくても良いです。ただし、別名の方はしっかりと暗記してくださいね。

 

例えば「胃が悪い時はF6の治療だな」と、瞬発的に名前と場所が出てくるようになるのが理想です。

井穴治療にはピソマかお灸

治療院やクリニックでは、上でも述べた「井穴刺絡」という出血を伴う刺激法を主に行います。これが最も効果が高いのです。

 

しかし、手技自体に経験やコツが必要であるために、自分で行うのはちょっと難しいと思います。

 

そこでおすすめしたいのが、「ピソマ」「お灸」を使った井穴治療です。

ピソマ

「ピソマ」という井穴刺激専用のツボシールがあります。

 

上手く使いこなせば井穴刺絡に負けず劣らない効果を発揮しますので、私がもっぱら患者さんにおすすめするのはピソマです。

 

ただし一般のお店では手に入りませんので、興味がある方はお近くの井穴治療を行っている治療院、または井穴刺絡研究会、もしくは私までお尋ねください。

お灸

最近では手軽に自宅で行える「お灸」も販売されています。

 

昔のように「焼け跡」が残るような強烈なものとはだいぶんイメージも変わりましたので、ぜひ挑戦してみてください。

 

千年灸オフ伊吹(レギュラー) 260点

例えば上に貼ってある「千年灸レギュラー」などが初心者には良いでしょう。中級者ぐらいになってくると、以下のようなタイプも良いです。

 

せんねん灸 オフ しょうがきゅう 八景 230点入

さらに上級者になってきますと、以下のような熱さが最上ランクのタイプにも挑戦してみましょう。

 

せんねん灸オフ にんにくきゅう 近江 340点入

ドラッグストアやアマゾン等でも購入できますから、是非挑戦してみましょう。ただし、火傷にはくれぐれも気をつけて。

 

また、ボールペンや先が丸く尖ったものなどを利用して該当する井穴を刺激するのも、手軽なセルフケアとして良いでしょう。

 

以上。井穴治療について話しました。

 

私も自分自身が体調が悪いときによく行うのですが、非常に効果と再現性が高い事を実感します。

 

井穴治療を行う事で、いろいろな体の不調に対して自分である程度対処できるようになりますから、ぜひとも使いこなせるようになって頂きたいと思います。

まとめ

*経絡とはエネルギーの流れで、鉄道で言うと線路のようなもの。

*経穴(ツボ)とはエネルギーの出入りする場所で、鉄道で言うと駅のようなもの。

*井穴とはツボの総司令部のようなツボで、手足の爪の根元に存在する。

*体には12経絡の流れがあり、井穴もそれぞれに12か所存在する。

*井穴を刺激する事で、大部分の体の不具合を自分で調整できる。

*ピソマというツボシールが有効で使いやすい。お灸も効果あり。

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