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まるでお多福さんのように顔が腫れあがる風邪と言えば、あなたもきっとご存じの

 

「おたふくかぜ(風邪)」

 

ですね。小さいうちに必ず罹患すると言われている風邪疾患はいくつもありますが、「おたふく風邪」もその中の1つです。

 

しっかりと罹患すれば、「終生免疫(2度と罹患しない)」を獲得すると言われている風邪疾患の1つでもあります。

 

しかし、中途半端に罹患して免疫がつかなかった場合や、そもそも小さいうちに罹患すらしなかった場合は、年長児になってから、あるいは大人になってから罹患する可能性があります。

 

そして、大きくなって罹患するほど症状が非常に辛く、また厄介な合併症もありますので油断ができないのも特徴ですね。

 

今回は、そんな「おたふく風邪」についての話です。

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おたふく風邪

おたふく風邪は、正式には「流行性耳下腺炎」と呼ばれており、「ムンプスウイルス」の感染によって発症します。

 

感染力が強い疾患で、家庭内や学校等の集団生活下において1人の感染者が出たら、残りの90%以上にまで拡がってゆくと言われる程、強い感染力を持ちます。

 

ただし、「不顕性感染(症状が強く出ない)」の割合も多い疾患で、罹患したつもりが実は罹患しておらず、結局免疫を獲得できていなかったというケースが結構あります。

 

何を隠そう私自身がそうです。

 

高校生の時に、「あんたはしっかり免疫がついていないかも」と親に言われて検査を受けた所、やはり免疫を獲得できていませんでした。

 

病院の先生から、「大人になって罹患すると子種が無くなるかもよ」と笑いながら突っ込まれて、しぶしぶ予防接種を受けたのをよく覚えています。

 

後年私の子どもたちが罹患した際には、「これはもらうかもしれんなあ」と覚悟しましたが、予防接種のおかげなのか何とかもらわずに済み、今日まで未だ罹患していません。

 

病院の先生の話では、そういう大人の方って意外に多いそうです。特におたふく風邪ではその傾向が強いそうですから、「小さい時にかかったから」と安心は出来ませんよ。

 

おたふく風邪の症状

主に「耳下腺(耳たぶの下辺り)」をメインに、時には「顎下腺(顎の下辺り)」にかけて「大きな腫れ」が起こり、強い痛みと発熱を伴うケースがほとんどです。

 

通常、最初は片側の腫れから始まり、多くは次第に両側性の腫れへと移行してゆきます。

 

発症からの4~5日が特に大変で、とにかく口を開けるだけでも精一杯、さらに食べ物を噛もうとするとあまりの痛みで食べる気を失います。

 

何とか水分だけは流し込むといった状況が続きますので、ここをどう乗り切るかが辛抱どころですね。

 

また、顎下腺まで腫れてくると首の動きも制限されるので、まるで「むち打ち症」のように首が回らなくなる事があります。

 

私の子どもはその症状に該当し、振り向くのも辛いといった状況が続いていましたので、見ていてとても痛々しかったです。とにかくずっと冷やしていましたね。

 

腫れや痛みは約4~5日ほどで落ち着いてきますが、重症の場合だと1~2週間ほどかかるケースもあるようです。

 

看病する親も辛いですが、これを乗り切ればまた「この子は強くなる」と心を落ち着けて、温かく回復を見守りましょうね。

 

ただし、私のようにご自分がまだ罹患していないという大人の方は、感染しないように「うがいや手洗い」を徹底しておいてくださいね。

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おたふく風邪の合併症

おたふく風邪は合併症が多いのも特徴です。以下に代表的なものを列記してゆきます。

無菌性髄膜炎

以前、細菌性髄膜炎の怖さを記事に書きましたが、その細菌性髄膜炎ではなく無菌性の髄膜炎です。症状は「発熱・頭痛・嘔吐・けいれん」などが見られます。

 

約1割弱に発症が見られると言われていますが、予後は良好で後遺症の心配はほとんどありません。

精巣炎

思春期以降の男性患者の1割~2割に見られると言われています。発熱以外に、「精巣部付近の痛みや腫れ」が見られます。

 

私も言われたように「子種が無くなる」と昔は恐れられていたようですが、実際には片側の精巣だけで起こる事が大半ですから、そういった心配はあまり入らないようです。

聴力障害

回復期に差し掛かったあたりで、突然「難聴・耳鳴り・めまい」などが現れます。

 

頻度は1割以下ですからそれほど神経質になる必要はありませんが、突発性難聴の記事でも話した「感音性難聴」となってしまう為に、聴力の回復は非常に困難です。

 

ただし、これも片側の耳に起こる場合がほとんどですから、日常生活に著しい支障を起こすまでには至らない方が多いようです。

 

このように頻度はそれほど多くないものの、合併症のバリエーションが多いのがおたふく風邪の特徴ですね。

 

特に青年期から成人期での罹患では、症状の強さや合併症のリスクが高いと言われていますので、気になる方は1度抗体の検査を受けてみる事をおすすめいたします。

 

それでもし免疫が出来ていなかったならば、予防接種を講じておくのが望ましいでしょう。

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おたふく風邪の治療

ウイルス性である為に抗生物質は無効であり、これといった治療法はありません。脱水症にだけ気を付けて、対症療法を行いながら自然回復を待つことになります。

 

なおいつも申し上げるように、発熱は病原体と免疫が勝負しているサインですから、むやみやたらには下げない方が良いです。

 

ただしあまりにも痛みが強い場合には、最小限の使用であれば解熱鎮痛剤の使用も必要でしょう。痛みが強い場合には、湿布などでも冷やしてあげると少しはマシになります。

 

また無菌性髄膜炎の兆候が見られた場合には、いくら予後良好とは言っても基本的に入院治療となります。

 

「意識障害・嘔吐・けいれん・ひどい頭痛」などの兆候が見られる時には、急いで専門医を受診するようにしましょう。

 

どうしても我が子の感染を避けたいという親御さんは、「任意接種」にはなりますが予防接種を検討するのも1つの手です。

 

ただし、乳幼児期は他に優先すべき予防接種が多いですから、かなり計画的に行わないとなかなか実施まで辿りつけないと思います。

 

担当の小児科の先生とよく話し合いましょう。

 

以上。大人への関門の1つであるおたふく風邪の話しでした。

 

大多数の方は大過なく乗り越えてゆきますが、上手く免疫を獲得できなかったケースなどでは後々厄介な事になりかねませんので、決して簡単な病気とは侮らないでくださいね。

まとめ

*おたふく風邪はムンプスウイルスによって発症し、非常に感染力が強い。

*不顕性感染も多く、実際には免疫を獲得できていないケースがしばしばある。

*耳下腺や顎下腺が腫れて痛む症状が、発熱と共に4~5日続く。

*大多数の方は無事に乗り切るが、青年期や成人の発症では症状や合併症が強くなりがち。

*予防接種によって防ぐ手段も。青年期や成人で免疫を獲得していない方は検討したい。

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